世界各地の開発リソースにアプリやウェブの開発を依頼できるプラットフォームセカイラボを運営するモンスター・ラボは、本日デジタルガレージとパソナテック両社と業務提携を行い、さらに資本提携で当該2社から4億円を調達したことを発表した。モンスター・ラボの代表を務める鮄川宏樹氏に今回の提携について聞いた。
モンスター・ラボは2014年2月にセカイラボのサービス提供を開始した。セカイラボは、アプリやウェブの開発を検討している国内企業がセカイラボと提携している海外のパートナー企業やセカイラボが独自に持つ開発拠点に依頼できるプラットフォームだ。
セカイラボが選抜した海外の優秀な開発チームに依頼することで、プロダクトの品質を保ちながら開発コストが削減できるという。「バングラデシュなどの地域においてエンジニアは弁護士や医者と同様に人気のある職種です。名門大学を卒業した優秀なエンジニアが多く、開発レベルも日本とそう変わりません」と鮄川氏は説明する。現在、15カ国の100社以上の企業を外部パートナーとして抱えているそうだ。
サービスを開始してから、現在まで累計で500社に渡る800のプロジェクトがセカイラボのプラットフォームを通して形になったという。セカイラボのクライアントは、IT系が5割、非IT系が4割、SIerが1割といった比率だそうだ。
今回の協業と資本提携を行った目的は、国内と海外のクライントへのリーチを図るためだと鮄川氏は言う。デジタルガレージとしては、同社の強みであるマーケティング分野にセカイラボの開発リソースを加えることで受託開発サービスの強化につなげることができるという。一方パソナテックとはサービスのディレクションや出来上がったプロダクトの品質管理といった面で協力できることが多いという。
日本企業が外注先として海外の開発リソースを活用する理由はコスト面でのメリットがあるだけではないと鮄川氏は言う。今後IT化とグローバル化が進み、外部環境の変化に対応するには、国内のリソースに限らず海外にも早い段階から目を向けることで企業の競争力を育てることにつながると話す。
セカイラボは2015年5月にはベトナムの開発会社アジアンテックの買収を行った。今後も中国、ベトナム、バングラデシュといった地域の開発企業にも積極的にアプローチし、外部のパートナー企業と自社の開発拠点を広げたい考えだ。そして「現在常時500名ほどのエンジニアが稼働していますが、これを3年後には3000名まで増やしたいです」と鮄川氏は目標を話す。