今朝日経新聞が報じたところによれば、Yahoo! Japanが電子マネー事業に参入するようだ。今日4月19日午後に「Yahoo!ウォレット」新施策の記者会見をするという案内がメールで届いていたのだけど、目玉は電子マネー「ヤフー!マネー」の発表だった。まだ公式発表前ではあるが、TechCrunch Japanでヤフー広報部に報道内容に間違いないとメールで確認を取った。
ヤフー!マネーはYahoo! Japan IDに紐付いた電子マネーでネット決済に使える。購入する商品やサービスの料金を友人とワリカン(送金)する機能もあるようだ。銀行口座から100円以上、1円単位でチャージできるほか、銀行口座からの代金引き落としにも対応する。クレジットカードを利用していない層に対して、ネット通販で使える電子マネーを目指すという。2017年春には飲食店など実店舗で利用できるようにする。
これまでオフラインの店舗や交通系を中心に発展してきた日本の電子マネー市場だが、ヤフーは「オンライン→オフライン」と逆向きに攻め入るということだ。日々ぼくらは100円とか1000円といった単位で電子マネーを使っているわけだけど、オンライン決済のために電子マネーを使ったことがある人なんてほとんどいないだろう。そう考えると、ヤフー!マネーが「オンラインの電子マネー」として独自のポジションを築ければ、ネット企業らしい使いやすいアプリやサービスをテコにしてオフラインへの展開でも存在感を出していく可能性が十分にありそうだ。
IC型電子マネーにはWAON、Suica、nanaco、Tマネー、楽天Edyなどがあり、それぞれ発行枚数5000万枚を超える規模となっている。流通系、交通系の大手8社での総発行枚数は「日銀決済動向」によれば、2015年で2兆9453万枚、年間の決済金額にして4.6兆円。流通枚数で決済金額を割ると結構寂しい数字だけれど(交通系のカードでは乗車賃は統計から除外されている)、すでに電子マネーは一定レベルで普及していると言える。ただ、オンラインでの電子マネー利用は空白地帯だし、そもそも民間最終消費支出が年間300兆円前後あってEC化率自体が低いことを考えると、まだまだ伸びしろは大きそうだ。