デベロッパたちが共にコードをポストし、貸し借りし、コラボレーションするためのオンラインリポジトリとして有名になったGitHubは、今やアクティブユーザ数が400万に達したが、今後はこのモデルを他の領域にも広げ、あらゆる種類のオンラインコラボレーションの拠点にしたい意向だ。
TechCrunch Disrupt SFのステージに登場したGitHubの協同ファウンダでCEOのTom Preston-Wernerは、“弁護士や公務員など、誰もがGitHubを使うようにしたい”、と言った。そのねらいは、“GitHubのユースケースを広げることだ。ソフトウェア開発だけでなく、あらゆる目的にGitHubを使ってもらいたい”、である。
2007年に自己資本で始まった同社は、今年の初めにAndreessen Horowitzから1億ドルの資金を調達して世間をあっと言わせた。
同社はこの資金をてことして、エンタプライズ方面と有料サービスの開拓に力を入れている。Preston-Warnerの今日の話によると、GitHub EnterpriseとメインのGitHub.comのサービスとの違いは、前者がオンプレミスのソリューションであることだ。その有料ユーザは今、“数十万”のオーダーに達している。
同社は2012年から黒字化しているが、しかし1億ドルを成長のために使ってしまった今現在は赤字だ。社員は現在、209名である。
最近の同社の成長は、相当急ピッチだった。2011年にユーザ数100万の道標を通過した同社は、今年の1月にはユーザ数300万に達した。8月に到達したユーザ数400万は、RedMonkのDonnie Berkholzが描いた成長カーブと完全に合致する。彼のそのカーブでは、年内に500万に達する、となっている。
GitHubがその原点であるデベロッパサービスの枠をこれから大きく越えていくことは、業界に対してさまざまな含意を持つだろう。まず、BoxやDropboxのような、同じく急成長したスタートアップたちは、GitHubと同じ拡大パターン…エンタプライズ路線…をねらってくるかもしれない。また、従来のような小規模なデベロッパやスタートアップたちだけでなく、Microsoft、Google、Oracle、Ciscoなどの大企業もGitHubに着目せざるをえなくなるだろう。
その出自がコードを軸とするコラボレーションであるPreston-Wernerは、コラボレーションはあくまでもプロジェクトがベースであり、プロジェクトをめぐって人びとがコラボレーションするのだ、という見方だ。
“今でもメールを使って文書を共有している企業があると思うが、それはものすごく効率が悪い”、と彼は言う。GitHubは、こういうところにも機会を見出し、人びとがそれらのドキュメントに互いにアクセスしながらコミュニケーションする方法を提供していく。彼は、“ファイルがあればそこには必ずコミュニケーションがある”、という言い方をする。GitHubは、ソフトウェア開発に限らず、至る所にあるそのようなコミュニケーションを支えるつもりだ。競合他社は?という質問には直接には答えず、“最大の敵は今のやり方(メールなど)だ”、と言った。
しかしステージには彼の前に、GitHubのライバルになるかもしれないBoxとZendeskのCEOたちが立った。エンタプライズの分野でどんなコラボレーションサービスを提供するのか、それ次第では彼らは将来、互いに戦う仲になるだろう。
1億ドルの投資ラウンドは相当大きな評価額を前提としているはずだが、Preston-Wernerは、IPOにより公開企業になるという至近の可能性を否定した。“今はそういうことは全然頭にないし、話題にもなっていない”、と彼は言う。“今集中しているのは、一緒に仕事をする人たちのためのプロダクトを作ることだ。IPOなどには、まったく関心がないし、考えたこともない”、ということだ。
舞台裏インタビュー
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))