10代少女のレイプ事件の告発に協力した26歳の農村に住む男性は、少女に暴行を働いた高校フットボール部員らの最大5倍投獄されるかもしれない。オハイオ州スチューベンビルのレイプ事件は、何十人もがパーティーで現場を目撃し、ソーシャルメディアで写真を共有したことから国民的議論を呼んだ。
小さな町が正義に背を向けたことに怒った政治的ハッカー、Deric Lostutterは、フットボールチームのウェブサイトに暴行を暴露するビデオを投稿し、犯罪を国民的注目に曝した。
「もし、ハッキング関連の罪に問われれば、Lostutterは最長10年の刑を受ける可能性がある ― これはスチューベンビルのレイピストたちに与えられた1~2年よりもはるかに長い」と、Mother JonesがLostutterの独占インタビュー記事で報じている。
この初回デジタル・アクティビストは、ページのハッキングはしておらずビデオに覆面で写っているだけだと主張している。比較的関わりが薄かったにもかかわらず、FBIは彼をワールドクラスのテロリストのように扱った。「運転手を迎えにドアを開けたところ、12人ほどのFBI SWATチームが、「おとなしくしろ!」と叫びながらトラックを飛び降り、暴徒鎮圧用フル装備で、M-16突撃銃の安全装置を外し、直接私の頭を狙っていた」とLostutterが自身のブログで回想する。
この過剰な武力行使とさらにひどい罰は、多くの人々がコンピューター不正行為防止法(CFA)の改訂を叫ぶ理由を如実に表している。同法は、高潔なハッキングを最悪の連邦犯罪と同列に扱う。CFAが国民の注目を集めたのは、一目置かれたインターネットの奇才,Aaron Swartzが、有料データベースの学術記事を無料公開したとして、厳格な検察官から懲役50年以上を求刑すると脅された後、自殺した時だった。
「Aaronに起きたことが他のインターネットユーザーに起きることを防がねばならない」と、Zoe Lofgren下院議員(CrunchGov Grade: A)は、彼女の(不通過に終った)「Aaron法」法案に 書いている。
ハッカーらが法を犯していることは確かだが、これはアメリカ人がこよなく愛する市民的不服従の最新進化形だ。「それは私が説いてきたことのすべてであり、このグループの人たちは立ち上がってそのための行動を起こそうとしている。私はこの運動に参加したかった」と、Lostutterは彼が関わるきっかけとなった、政治的ハッカー集団のミッションステートメントを思い出してそう語った。
彼以前の初回アクティビストらの多くがそうであったように、彼もまた典型的アメリカ人であり、スリルを求める自警団ではない。「26歳の企業サイバーセキュリティー・コンサルタントであるLostutterは、ピットブル・テリアのThorと農村に暮し、余暇には七面鳥を狩り、魚を釣り、オートバイに乗る。彼は自分を愛国的アメリカ人であると考えている。アメリカ国旗を掲げ、Bud Lightビールを好む」とMother JonesのJosh Harkinsonは書いている。
アメリカの法律は、もっと情報の自由な流通の価値を反映すべく改訂されるべきだ。一連の行動は確かに違法だが、Lostutterのしたことが間違っていたとは考えにくい。法廷が彼の政治的活動を、性的暴行以上に厳しく罰することができるのは実に遺憾だ。
類似の(少々皮肉をこめた)話題に関心のある方は、TwitterでGregory FerensteinおよびCrunchGovをフォローされたし。
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(翻訳:Nob Takahashi)