レストラン向け料理運搬ロボのBear Roboticsが資金調達中

放射線治療医からトラック運転手ジャーナリストまで、仕事の内容のたとえ一部であっても、スマートマシンに取って代わられる可能性があり、そのような仕事の数が際限なく増え続けているような気がする。レストランのフレンドリーなウェイターやウェイトレスに泣きついて相談したくなるかもしれないが、待って!それもロボットだ!

カリフォルニア州レッドウッドシティに拠点を置く25人のスタートアップであるBear Robotics(ベア・ロボティクス)がそんな状況を実現しつつある。創業して2年になる同社は「役立つロボット」(Robots that help)、具体的にはレストランで客に料理を運ぶのを手伝うロボットを作っている。

ディスラプションが起こりそうなマーケットだ。自社の会社概要に記述されているように、同社は「賃金、人手確保、コスト効率面で外食産業が直面している高まるプレッシャー」に対処するために設立された。

元インテルのリサーチ・サイエンティストであるCEOのJohn Ha(ジョン・ハー)氏は、Googleで長年技術リーダーを務めた。自身のレストランを開店したこともあり(その後閉店)、飲食店の苦労を目の当たりにした。筆者はレストラン経営者の子(および孫)として、費用のこと、そしてもっと厄介な、売上高のことを考えると、レストランを所有・運営することが難しい試みであるとはっきり言える。

投資家はロボットサーバーを使うというアイデアに乗っているようだ。SECに新しく提出された書類によると、Bearは今回のラウンドを3580万ドルでクロージングする目標だが、これまで12の投資家から少なくとも1020万ドルを確保した。今日の多くのスタートアップにとってはそれほど大きな金額ではないが、フードサービスロボットのスタートアップとしては注目に値する。最初のモデル「Penny」はR2-D2のように回転し、料理が出来上がると、キッチンからテーブルへ運ぶ。

Bearがレストランと契約すると、少なくともそのような情景が見られると想定される。レストランはBearに毎月使用料を支払う。使用料には、ロボット、レストランのセットアップとマッピング(Pennyが物と衝突しないように)、技術サポートが含まれる。

Bearは支援者が誰なのか明らかにしていないが、支援者たちはAlibabaから少しヒントを得られるかもしれない。Alibabaが昨年開店した上海のレストランは高度に自動化されており、小さなロボットが専用トラックを滑り客へ食事を運ぶ。

Bearとその支援者たちは、レストラン内のすべてが自動化されるというもっと大きな青写真を描いているかもしれない。食材を揚げるロボットシェフからテーブルに取り付けられたセルフペイタブレットまで。ロボットサーバーがパズルの最後のピースの1つとなる。

だからといって、Bearや志を同じくする他のスタートアップが、未来的な体験を提供していないレストランですぐにビジネスを始められるというわけではない。人間がレストランに行く理由の1つは、古き良き人間との交流のためだ。テイクアウトの注文が増えている昨今、ウェイター、バーテンダー、ダイニングルームの周りを飛び回って挨拶をするレストランオーナーなど、人間こそが客を店にひきつける唯一の理由になるかもしれない。

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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