レンタルスペースの手配代行サービスを手がけるエイチは6月14日、複数の個人投資家を引受先とした第三者割当増資を実施し、資金調達を実施した。調達額は非公開だが、数千万規模と推測される。
エイチが手がけるのは、同社が「スペースコンシェルジュ」と呼ぶ法人向けのレンタルスペース手配代行サービス。会議室だけでなく、コワーキングスペースやカフェなどを手配することも可能だ。
同サービスは無料で利用することができ、エイチは会場側から紹介料を得るかたちでマネタイズしている。紹介手数料はレンタル費用の約25%だという。これまでに、NTTドコモ、ソフトバンク、リクルートなどが同サービスを利用している。
エイチでは、1万件以上のレンタルスペースをデータベース化し、顧客からの要望やクレームもデータとして取り入れることで、顧客のニーズに適した会場を提示する。エイチ代表の伏見匡矩氏は「会場を手配するという作業は、PDFの申込用紙を印刷し、総務課に提出して、郵送するというような非常に煩雑なもの。エイチが提供するバリューは、その”面倒くささ”の解消だ。エイチでは、約30秒で手配依頼のフォームを埋めることができ、大幅な時間の削減ができる」と話す。
エイチ代表の伏見氏は、グループ内の別会社として、ベビー用品レンタルの「Babyrenta」などを手がけるココロイロも経営している。そのため、オフィス備品やケータリング(およびそれに付随する物流業務)のレンタルをグループ内の別会社で行うことでコストを削減したと伏見氏は語る。
ちなみに、TechCrunch Japanでは2015年7月に同社に取材を実施しているが、その際にエイチが手がけていたのは、コンシューマー向けのスペースマッチングサービスだった。現在、同社はコンシューマー向けビジネスと法人向けビジネスの両方を行ってはいるが、いまの事業の中心は法人向けビジネスだという。
伏見氏は、この”toC”から”toB”へのピボットの理由として、「単純に法人向けビジネスでのニーズを感じたのが大きな理由だ。また、法人向けのビジネスは(伏見氏がCSOとして経営に参画する、求人サイトの)リジョブから得た経験も活かせる領域だと感じた」と話す。
2015年4月創業のエイチは、リクルートとスタートアップが協働して新規事業を開発することを目指す「MEET SPAAC!」の第1期生メンバーとして採択されている。伏見氏は「まだ内容については公開できないが、具体的な共同ビジネスの構想はあり、今年の11月か12月頃にはサービスをローンチできそうだ」と話している。