スターウォーズに登場するR2-D2のような姿をしたロボット警備員が街の治安を守る。そんな日がまもなくやってくるかもしれない。そう、自立走行型マシン「K5」ならね。
K5は高さ152cm、横幅81cm、重さ136kgと少しずんぐりとした体型のマシン。内部には、周囲360度の動画を撮影するHDカメラ、4方向の音声を収集するマイク、超音波式の近接センサー、対象物の移動速度や距離を図るセンサーなどがある。
開発元の米Knightscopeによれば、人々の挙動をリアルタイムに監視し、攻撃的であったりコソコソした身振りを察知した場合は、当局に通報して犯罪を未然に防ぐのだという。1台のK5が年間に収集するデータ量は90テラバイトに上る。
各種センサーで収集するデータに加えて、顧客企業が指定した地域で投稿されたソーシャルサービスのデータも活用する。具体的には、市民の抗議や違法行為に関する雑談などがあると、Knightscopeのセキュリティオペレーションセンターに警報が届く仕組みだ。
TechCrunch Japanのメールインタビューに応じたKnightscopeのCEO、William Santana Li(ウィリアム・サンタナ・リー)氏によれば、同社は2012年12月のサンディフック小学校銃乱射事件や2013年4月のボストン・マラソン爆発事件をきっかけに設立。現在、北米には約200万人のガードマンや警察官、約50万台の警察車両があるというが、「その数はこれ以上増えることは見込めず、治安を守るにはテクノロジーの助力が不可欠」という思いから創業した。
「K5が単調な仕事や、時として危険の伴う仕事までも請け負うことで、人間には高次元の思考や、細かい陣頭指揮が求められる衝突などに注力してもらいたい。将来的には特定エリアの犯罪を50%減らすことを目標に掲げている。」
2014年第2四半期にはシリコンバレーでベータテストを開始する予定で、「ウェイティングリストには30社近くの大企業が順番待ちをしている状況」。本格展開は2015年を見込んでいて、月額3000ドルで提供する計画。ショッピングモールやイベントスペースなど比較的広域なエリアでの利用を想定している。日本での展開は未定だが、リー氏は2020年の東京オリンピックを商機と捉えているようだ。
3月13日には、NTTドコモ・ベンチャーズが同社に出資したことを発表。出資額は明らかにしていないが、NTTグループの安心・安全に関わるビジネスや、機械と機械が互いに通信を介して情報をやりとりするM2M(Machine to Machine)分野への貢献を期待しているという。