シカゴ大学の新しい研究によると、3匹のアカゲザルがロボットアームを思考で操った。実験対象のサルはいずれも切断患者で、4年から10年前にけがで四肢の一部を失った。サルたちは試行錯誤を繰り返しながらロボットアームでボールをつかむことを学び、ご褒美にジュースをもらった。
「サルがロボットアームを制御する」だけでも十分すばらしいが、研究チームが本誌に語ったところによると、最大の発見はロボティクスよりも、このテクノロジーに対する脳の反応だという。小さなサルたちがこのシステムを40日間体験したあと、研究チームはサルの脳に変化があらわれたことに気づいた。
「特に注目したのは、脳と機械とのインターフェースが、脳そのものを変えるために利用できるという点です」と上級研究者のNicholas Hatsopoulosが今日語った。「訓練や体験からどうやって理解をすすめるのか。テニスをしたりピアノを引いたりするのと同じ。運動能力を学習している」。
サルの頭部には脳の近くに電極が埋め込まれている。電極は、サルが思考によってアームを制御するために使われるのと同時に、四肢の切断によってずっと以前に再プログラムされた脳の領域にみられる変化を、研究者が観察するためにも使われている。将来は、感覚情報を脳に送ることによって、人工装具に触覚を付加できる可能性もある。
これは、人工装具を筋肉活動に結びつける類似の研究に対する明確な利点だ。この方式は切断患者に限らず、麻痺患者に適用できる可能性もある。ただし現時点では四肢切断患者に焦点を合わせており、それはDARPAの補助金がそこから始まっているためだ。軍は将来この技術が、戦場で四肢を失った兵士の役に立つことを願っている。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )