Blossom Capital、Creandum、Index Venturesが支援するロンドンの食料品宅配スタートアップ企業Dija(ディジャ)は、英国ケンブリッジに拠点を置くGenie(ジーニー)を買収した。
買収条件は今のところ非公開だが、Genieの創業者であるTim Chan(ティム・チャン)氏とCallum MacBeth(カラム・マクベス)氏がDijaのチームに加わるほか、Genieの資産も含まれている。Genieを英国の大学都市として知られるケンブリッジで立ち上げた彼らは、ロンドン以外の地域でのDijaの成長をサポートする役割を担うことになる。
長年Deliverooで上級職を務めたAlberto Menolascina(アルベルト・メノラシナ)氏とYusuf Saban(ユーセフ・サバン)氏によって設立されたDijaは、今月初めにロンドンでサービスを開始した。Dijaは、グローサリーやその他のコンビニ商品をオンデマンドで配送する、乱立しているヨーロッパの新興企業のひとつだ。同社は、超ローカルな配送に特化したフルフィルメントセンター、いわゆる「ダークストア」を構築し、独自に配達要員を採用することでこれを実現している。このフルスタックまたはバーティカルなアプローチと、それによってもたらされる可視性によって、ユニットエコノミクスを実現するのに十分なサプライチェーンとロジスティクスの効率性が生み出されると考えられているが、それはまだ証明されていない。
他のダークストア事業者としては、ベルリンのFlink(フリンク)が株式と負債を合わせて5200万ドル(約56億6000万円)のシード資金を調達しているほか、ベルリン拠点のGorillas(ゴリラズ)がシリーズAで4400万ドル(約47億9000万円)の資金を調達しており、最近ではドイツとオランダに加えてロンドンにも進出している。それに加えロンドンで事業展開しているのは、Weezy(ウィージー)、Getir(ゲッティアー)、Zapp(ザップ)の3社で、Jiffy(ジフィー)も間もなくサービスを開始する予定だ。また、米国のユニコーン企業であるgoPuffも欧州への進出を目指しており、英国のFancy(ファンシー)を買収または投資する交渉を行っていると報じられている。
Dijaは現在、サウス・ケンジントン、フルハム、イズリントン、ハックニーの4カ所で倉庫ハブを運営しており、グローサリーやその他のコンビニ商品を10分以内に配達しているという。夏までには、ロンドン中心部とゾーン 2をカバーする20のハブをさらにオープンする予定だ。各ハブでは約2000点の商品を取り扱っており、「推奨小売価格」での販売をうたっている。配送料は1回の注文につき一律1.99ポンド(約300円)だ。
Dijaの共同設立者兼CEOのAlberto Menolascina(アルベルト・メノラシナ)氏は、声明の中で次のように述べた。「当社の野望は、M25(ロンドンの周囲を繋ぐ環状高速道路)の中だけではありません。ティムとカラムがDijaファミリーに加わり、英国やヨーロッパでより多くの人々がこの信頼性と効率性の高いサービスを利用できるようになることを嬉しく思います」。
Genieの共同設立者兼CEOであるTim Chan(ティム・チャン)氏はこう付け加えた。「日用品を数分でお届けするという共通のミッションを継続するために、Dijaのチームと力を合わせられることを嬉しく思います。既存のお客様にとって、今回の取引は、より多くの商品、よりよい価格、そしてより速い配送時間へのアクセスを意味します。これまでにケンブリッジでは非常に大きな反響がありましたが、今後数カ月のうちに英国のより多くの地域にDijaを導入することを楽しみにしています」。
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カテゴリー:フードテック
タグ:フードデリバリー 買収 イギリス
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(文:Steve O’Hear、翻訳:Aya Nakazato)