ワイヤレス充電ネットワークを開発するChargifiがIntel Capitalらから270万ドルを調達

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WIFIと同じように、ワイヤレス充電はコーヒーショップや他の公共空間に価値を与えるものになるだろうか?Chargifiという名のロンドンに拠点を置くスタートアップはそうなると確信し、ワイヤレス充電ネットワークを構築している。

本日、ChargifiはIntel Capitalが牽引するシリーズAのラウンドで270万ドルを調達したことを発表した。Intelは最新型のチップセットにワイヤレス充電の機能を搭載しようとしている製造メーカーであり、Chargifiの戦略的投資家としての役割を果たすことになるだろう。Chargifiのラウンドには他にもTechstars、R/GA Ventures、ZipCarのファウンダーであるBrett Akkerらが参加した。

「Chargifiは、ユーザーのモバイルに対するニーズと店舗の物理的なインフラの需要に応えます」とChargifiの共同ファウンダーでCEOであるDan Bladenは話す。「例えば、コーヒーショップがChargifiを導入することでカスタマーに価値あるサービスと利便性を提供できるだけでなく、店舗にとっても役に立ちます」。

このスタートアップは新しい「磁気共鳴」によるワイヤレス充電技術を元にした充電設備のハードウェアを販売するだけでなく、SaaSも提供する。このSaaSでワイヤレス充電の地点を管理したり、アナリティクスとマーケティング機会を把握したりすることができる。

Chargifiが収益を見込んでいるのはSaaSの部分だ。WIFIと同じように店舗は必ずしもワイヤレス充電分をユーザーに請求することはない。その代わり、彼らはChargifiの技術を活用してユーザーを深く理解したり、マーケティングのために活用することができる。

「Chargifiの高精度の位置検知機能とユーザーのデモグラフィック、充電地点の移動パターンから、それぞれのメンバーの重要なメッセージを得ることができます」とBladenは説明する。

「Chargifiのネットワークは、ユーザーがどの建物の中で充電しているかだけでなく、どのテーブルに座り、どの方角を向いているかや場合によってはどの入り口を通って部屋に入ったかさえも分かります。これで得られるユーザーの移動パターンの地図、デモグラフィック、位置情報により、デジタル広告だけでなく、従来の屋外の看板といった広告をも改善することができます」。

Chargifiは「伏せたトライアル」しか行っていないが、5つの国で現在検証中であり、同社は8つの市場で展開するためのパートナーとライセンスパートナーを獲得した。それらの市場は、シンガポール、香港、インド、UAEなどを含む。また、それとは別にChargifiはロンドンで最大級のコーヒーチェーン2社と提携していて、年末にも正式にローンチすることを目標としている。

また、Chargifiは技術の発展が追いつくのを待っているという奇妙な状況にある。新しいワイヤレス充電技術が端末やチップに搭載されるのを待っている。そのため、Intelが投資家として彼らを支援していることはとても意味のあることなのだ。今のところカスタマーは、Chargifiのアプリをダウンロードすることで同期する小型のワイヤレス充電機器をモバイル端末につなぐ必要がある。

BladenはChargifiにとっての最大の競合は、Powermatであると話す。Powermatは2006年に創業し、個人向けの置くだけで充電できるマット型の製品で知られている。彼らも最近になって店舗や会場向けのサービスをChargifiと似た地域で展開を始めた。

「Chargifiは磁気共鳴によって端末を充電します。これまでの非接触式充電の技術より、充電できる場所に自由があります。さらに、Chargifiのプラットフォームには強力なネットワーク管理ツールがあり、店舗はワイヤレス充電のシステムを管理できることで、彼らは行った投資の成果を見ることができるでしょう」と言う。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

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TechCrunch Japan

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