ヴァージン・ギャラクティック会長が同社の残り個人株を売却

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)と所有する持株会社のSocial Capital Hedosophia holding(ソーシャル・キャピタル・ヘドソフィア・ホールディングス)との合併により、現在のSPAC(特別買収目的会社)ラッシュの先駆けとなった人物が、宇宙旅行会社での個人的な残り持ち株を売却した。ヴァージン・ギャラクティックの取締役会会長を務めるChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏は、投資家のIan Osborne(イアン・オズボーン)氏との共同名義となる6.2%の株式をまだ保有しているが、彼の同社における単独保有率は現在ゼロになっている。

パリハピティヤ氏はVirgin Galactic経由で、TechCrunchに以下の声明を送った。

私は600万株を2億ドル(約216億8000万円)で売却しましたが、これは気候変動との戦いに向けた大規模な投資に振り向ける予定です。この投資の詳細は数カ月後に公開されます。私はこれまでと同様、ヴァージン・ギャラクティックのチーム、ミッション、そして将来の展望に献身的に取り組みます。

パリハピティヤ氏は380万株を2020年12月に売却し「2021年から始まるいくつかの新しいプロジェクト」に資金を提供して「流動性の管理を助けるため」に、株式を売却していたと言及した。その際パリハピティヤ氏は「SPCE(ヴァージン・ギャラクティックのニューヨーク証券取引所での株式ティッカー)の未来のために引き続きコミットし、また興奮している」と述べていた。

今週の売却は620万株で、パリハピティヤ氏は約2億1300万ドル(約230億9000万円)を手にした。

ヴァージン・ギャラクティックは、そのテストプログラムでいくつかの挫折を味わったが、その最初となる有料の商業観光客飛行の予定日を2021年中から2022年に延期している。同社は2020年7月にチーフスペースオフィサーに異動したGeorge Whitesides(ジョージ・ホワイトサイズ)氏に代わって、Disney Parks(ディズニー・パークス)のリーダーであるMichael Colglazier(マイケル・コルグラジエ)氏を新しいCEOに任命したが、3月4日にホワイトサイズ氏が退社することが明らかになっている。ホワイトサイズ氏の決定は、公共サービスの機会を追求したいという思いからだと言われている。

宇宙部門は最近のSPAC活動の温床となっており、Astra、Spire、Rocket Lab、BlackSky、Momentusを含む多くの企業の合併がこの1年の間に発表された。ヴァージン・ギャラクティックは最も初期の一企業として、この分野の基準を探している人なら誰でも注目するだろう。同社の株価は市場前に5%強下落しており、2021年2月半ばに史上最高値をつけて以来、着実に下落している。

カテゴリー:宇宙
タグ:Virgin Galactic

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

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TechCrunch Japan

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