不審郵便物を検知するRaysecurがシードラウンドで約3億円調達

粉末や液体、その他の種の危険なものを含んだ疑わしい荷物は、1日に少なくとも10件はあるのだとRaysecur(レイセキュア)は説明する。

米国マサチューセッツ州ボストンに拠点を置くRaysecurが開発したMailSecurと名付けられたデスクトップ型の3Dリアルタイムスキャニング技術では、郵便物がオフィスのフロアに置かれる前に郵便室で不審なものを検知する。

郵便室の安全というのは地味で面白みのあるものではないかもしれない。しかし脅威物が企業内部に入るための一般的なゲートウェイだ。攻撃者たちは、物理的なものであれサイバーであれ、そこを目がけて攻撃をしかける。今年初めTechCrunchでは、ハッカーたちが事業所にハードウェアを送りつけ、Wi-Fiを破壊し、データを盗むために企業のネットワークに打撃を与える手段として使われる「トロイの木馬」タイプの攻撃について書いた。

そしていま、Raysecurはシードラウンドで300万ドル(約3億円)を調達した。本ラウンドはOne Way Venturesがリードし、Junson Capital、Launchpad Venture Group、そしてフィラデルフィア拠点のアーリーステージ投資家でアクセラレーターのDreamit Venturesが参加した。Dreamit Venturesは昨年、アーリーステージのセキュリティ部門に進出することを発表していた。

Raysecurのミリ波スキャナーMailSecur(提供:Raysecur)

Raysecurはミリ波技術を使っている。この技術は空港の保安検査にみられるスキャナーに似ていて、疑わしい手紙や平らな封筒、小型の小包を検査する。同社によると、ティースプーンの2%ほどの細かな粉末や1滴の液体を検知できるとのこと。

今回調達した資金は顧客ベースの拡大に使われる。まだ高価だが、Fortune 500に名を連ねる企業10社がRaysecurのMailSecurスキャナーを使用している。ちなみに同社は2018年の設立以来、920万個超のパッケージをスキャンした。

One Way VenturesのマネージングパートナーであるSemyon Dukach(セミョン・デュカ)氏は「今回の資金調達で、この注目せずにいられない技術をマーケットにさらに広く知ってもらう」と述べた。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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