RSA Security(RSAセキュリティ)は詐欺とリスクインテリジェンスの事業をOutseer(アウトシア)という独立会社としてスピンアウトした。Outseerは不正取引が「これまでになく」増加する中で決済セキュリティツールに注力する。
以前ThreatMetrixのCEOを務め、そして2020年RSAの不正防止事業部門のトップに任命されたReed Taussig(リード・タウシッグ)氏がCEOとして新会社Outseerを率いる。同社は不正検知と管理、決済認証サービスを専門とする。
Outseerは引き続きRSA傘下で運営され、3つのコアサービスを引き継ぐ。リスクベースの口座モニタリングサービスOutseer Fraud Manager(以前のRSA Adaptive Authentication)、カードを物理的に介さない取引とデジタル決済認証マッピングサービスの3-D Secure(以前のAdaptive Authentication for eCommerce)、フィッシングサイトや危険なアプリ、詐欺のソーシャルメディアページを検知して追跡するFraudActionだ。これらサービスはすでに6000以上の金融機関に使用されている。
プロダクトのポートフォリオは、詐欺と取引データを認証するグローバルネットワーク、同社が不正検知率95%とうたうリスクエンジンなどを含め、データとサイエンス部門へのかなりの投資によってサポートされている、とOutseerは話す。
スピンアウトについてのコメントで、タウシッグ氏は次のように述べた。「Outseerは、不正防止と決済認証ソリューションにおける何十年ものサイエンス主導のイノベーションの結果です。デジタル経済が進むにつれ、取引詐欺から世界を解放するというOutseerのミッションは不可欠なものです。世界経済にとっての収益要因としての当社の役割は、あらゆるデジタル事業が引き続き拡大する中で大きくなる一方です」。
一方、RSAは今後もリスク管理のArcherや脅威検知・対応のNetWitness、IDとアクセス管理能力のためのSecureIDなど、統合されたリスク管理とセキュリティのプロダクトに専念する。
スピンアウトはプライベートエクイティ会社Symphony Technology Group (STG)がDell TechnologiesからRSA Securityを20億ドル(約2190億円)で買収して1年もたたずしてのものだ。STGはこのほどFireEyeのプロダクト事業を12億ドル(約1315億円)で買収した。Dellは2016年のEMC買収の一環としてRSAを獲得していた。
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スピンアウトはまた、新型コロナウイルスパンデミックでオンライン詐欺が急増している中でのものだ。連邦取引委員会は3月、2020年1月以降に21万7000人を超える米国人が新型コロナ関連の詐欺を報告し、コロナ関連の詐欺総額は3億8200万ドル(約418億円)にのぼると述べた。同様に、消費者金融保護局は2020年に詐欺問題54万2300件を扱い、この件数は2019年から54%増だった。
パンデミックにより詐欺取引が空前の増加を見せており、Outseerは決済認証、EMV 3-D Secure 2.x決済スタンダードに向けたマッピング、そして決済とコマースエコシステムでの新テクノロジーの統合に関するイノベーションにフォーカスするとRSAは述べた。
「Outseerの存在理由は決済と口座に関する詐欺をなくすのにフォーカスすることだけではありません」とタウシッグ氏は付け加えた。「これらの詐欺の取引は往々にしていかがわしいドラッグや人身取引、テロリズム、その他の不正行為の名目です。Outseerは世界をより安全な場所にするのに役立つ能力を持っています」。
Outseerのバリュエーションや従業員数はスピンアウトの発表では明らかにされなかった。同社はTechCrunchのさらなる情報の求めにただちには応じなかった。
カテゴリー:セキュリティ
タグ:詐欺、Outseer、リスクインテリジェンス
画像クレジット:Damien Meyer / Getty Images
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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi)