Flaskは本日、座っている時間が長い人のために立つことを促すiPhoneアプリ「Standland」をローンチした。2013年8月に創業したFlaskは、デザイナーの堀内敬子氏とエンジニアの小川秀子氏の女性2名の会社だ。今回FlaskにStandlandのコンセプトについて聞いた。
Standlandは座りすぎを解消するために、画面の中のスタンド仲間がユーザーを応援するアプリだ。アプリを開くと、箱庭のような小さな世界のかわいいスタンド仲間が出迎えてくれる。1時間に1分間以上立って動くと、1スタンドとしてカウントする。ユーザーが立つとスタンド仲間も立つが、ユーザーが長時間座ったままでいるとスタンド仲間は眠ってしまう。スタンド数の目標をクリアすると新しいキャラや違う世界を入手することができる。また1日のスタンドした時間帯を示すデータを確認することも可能だ。Apple Watchを持っている場合はHealthKitのスタンドの情報を読み込み、iPhoneでは歩数データを元にスタンド数を算出しているという。
長時間座ることが身体に悪影響を及ぼすことは知られているが、短い時間でも毎時間そのために立って動くことは難しいとアプリのデザインを担当する堀内敬子氏は説明する。自身でもApple Watchのアクティビティ機能にある「スタンド」の項目を見て、自分の立った記録を確認してきたが、それだけではモチベーションが続かなかったと話す。しかし、立つのは難しいことではないので、毎時間立つことを意識づけできるアプリを開発しようと考えたのがStanlandを制作したきっかけと話す。Standlandはデータを見るためのツールとしてだけではなく、3Dアニメーションを使ってキャラや世界に触って楽しめるようにすることで、スタンドするモチベーション維持につなげたい考えだ。
Flaskの創業前から堀内氏、小川氏のどちらも趣味でアプリ開発を行っていたそうだ。当時、堀内氏は自身でウェブデザインの会社を立ち上げていたが、本格的に2人でアプリ開発に専念するため、その会社を解散し、Flaskを創業したと話す。これまでFlaskは10個ほどアプリを手がけてきた。どれも自分たちが欲しいと思ったが市場にはまだなかったものを、自分たちが使いたいと思える形で開発し、リリースしてきたと話す。
今回のStandlandも含め、いずれのアプリも最初から海外市場を視野に入れ、英語と日本語版を用意してきたという。2014年9月にローンチしたAppleのHealthKitのデータや進捗をシンプルに表示する「FitPort」に関しては日本より海外での利用率が高いという。国別ダウンロードの割合はアメリカが最も多く45%で、次いで日本14%、イギリス6.7%だそうだ。FitPortはいち早くHealthKitのデータを使ったアプリとして海外メディアに多数取り上げられたことで認知度が広まり、アプリの使いやすいデザインが評価されているという。美しいデザインのアプリは増えてはいるが、それでもまだ少数であり、シンプルで使い勝手の良いサービスの開発が、自分たちにとって勝負できるところだと考えているとFlaskは話す。