長年にわたって卒業生から新しいスタートアップの情報を入手してきたY Combinatorが、スタートアップの推薦ネットワークを一般に広げることを決めた。この施策の目的は、教授やメンター、初期の顧客など、誰でも自分が知っているスタートアップを推薦できるようにすることで、YCと繋がりを持ったスタートアップの数を増やすことにある。
YCでパートナーを務めるKat Manalacは、ファウンダーの多くが、自分の企業はYCのプログラムに参加するには成長しすぎている、もしくは小さすぎると思い込んで応募を諦めていると説明する。そこでYCは、応募を悩んでいるファウンダーでもとりあえずチャレンジできるような仕組みを作ろうとしたのだ。さらにManalacは、これまでにYCのプログラムに参加した企業の多くが、メンターや投資家による説得を通じて応募を決心したと語る。
YCが推薦を受け付けるようになったことで、応募には推薦が必須だと考えるファウンダーもいるかもしれない。しかしYCは、プログラムへの参加資格を獲得するために推薦は必要ないと話す。
ほとんどのベンチャーキャピタルは、公式もしくは非公式に、warm referral(推薦者がまずVCにコンタクトして企業を紹介する推薦方法)を出資先候補となる企業の選定に利用している。しかしYCはこの仕組みを使わないことで、常にテック業界におけるネットワーキングのハードルを下げようとしてきた。
推薦内容についても同じことが言える。ファウンダーは、Marc AndreessenやMichael Moritz、Elon Muskなどテック界のスターの名前を並べて、インパクトを残そうとする必要はない。実際Manalacによれば、2017年冬期のプログラムへの参加が認められた企業のうち、YC卒業生からの推薦を受けていない企業の割合は60%だった。
推薦ページは以下のようなつくりになっている。YCはポジティブなコメントとネガティブなコメントどちらも受け付けており、推薦したいスタートアップがいる場合、推薦者はその企業が「ホームラン」となる可能性がどのくらいあるかというのを具体的に説明しなければならない。数年もすればきっと面白い傾向が見えてくるだろう。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)