今日(米国時間8/6)公開された新デザインのApple.comには「Store」タブがなくなり、store.apple.comドメインそのものが消えた。これは、世界最大級のオンライン小売店にとって非常に大きな変更だ。
今や買い物体験はサイト全体に織り込まれ、商品の購入ボタンとオプションは全製品ページで利用できる。製品の情報を閲覧してから、ストア部門に「ジャンプ」する必要がなくなり、顧客は両方の行動を一度に行える。
私自身、Macの詳細を見るためにApple.comにやってきて、調べた情報に基づいてそのMacを構成するためにジャンプしなければならなかった経験があるので、これを一本化することには大きな意味がある。製品ごとのランディングページには、特定のモデルを探求するためのサブ閲覧体験が用意されている。
アクセサリーのためにも新しい閲覧体験があり、多くのこういったページでは、いくつかの選ばれた商品に焦点が当てられ、他のカテゴリー別品目を閲覧するオプションがその下にある。一本化されたショッピングバッグ(従来のカートとは別物)は、ユーザーの行くところどこへでも付いてきて、いつでもドロップダウンで中身を確認できる。
購入体験はシングルページになった。購入ボタンをクリックすると、あらゆる選択肢とともに拡張保証やケースが一列に並ぶ。
「私たちはApple.comのデザインを変更するにあたり、探して、調べて、購入するまでを一箇所でやりたいという顧客の要望を考慮した」とApple広報担当者が声明で語った。「新しいApple.comは、当社の既存サイトとオンラインストアから最高の部分を取り出し、顧客が異なる2つのサイトを行き来することなく、製品について知って購入できる簡単な目的地にした。さらに、サイトの機能をいくつか改善して、顧客にとってこれまで以上に簡単なショッピングを可能にした」。
毎年、40カ国で10億人以上の顧客がこのオンラインストアを訪れている。そのいずれの国でも人々は新しいApple.comを見ている。Apple.comは、トラフィックランキングで見たインターネット最大級のウェブサイトであり、そのデザインは、世界中のデザインに詳しいウェブやモバイル開発者たちが事細かに取り上げる。どんな反応が見られるか興味深い。
Appleが新しい製品を発売した時に何が起きるかというが残された興味だ。通常、サイトのストア部分全体が閉鎖され(これは旧ストアがまだWebObjectsで作られていたためだと言う人もいるが、それが都市伝説かどうか私にはまだわからない)製品が発売されるときまで再開しない。新デザインでそれがどうなるかわからないが、この新サイトが世界同時に、一度のダウンもなくスムーズに公開されたことは注目に値する。
なぜ?私の予想は、多くの人々がモバイルで買うようになったから。「Store」タブに切り替えるのはデスクトップではさほど面倒ではないが、iPhoneでは購入へのコンバージョンを損なう可能性がある。Apple製品を調べることと、それを買うこととの移動がよりスムーズになれば、コンバージョンが起きる可能性は高くなり、「これを買うための場所を見つける」ためだけにタップしてスクロールして回らなくてはならない小さな画面では、大きな意味を持つ。
今や、高額な商品をスマホやタブレットで買うことは、ごく当たり前になっている。 Forrester Researchは、今年のモバイル販売規模を1140億ドルと推定しており、BI Researchによると、モバイル販売は年率約48%で成長し、2014年第2四半期には80億ドルに達した。モバイルユーザーに適したデザインでこの成長に乗らないのは愚策だ。