「メルカリ」や「ヤフオク」、「フリル」といったフリマアプリ。今では若い世代を中心に広く浸透し、毎日、中古品や不用品が個人間で売買されている。
ただし、フリマアプリは高額なブランド品の売買に関して、ユーザー間のトラブルや偽物が出回るといったリスクも存在する。そこに目をつけたサービスが「RECLO」だ。ローンチ時、TechCrunch Japanでも紹介した。
同サービスを展開するアクティブソナーは4月25日、KDDIが提供するauスマートパス内に「ファッションリユース」を開設することを明らかにした。
フリマと買取業者、双方の問題を解決したサービス「RECLO」
RECLOは、ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメスといったブランド品の委託販売、買取を行うサービス。ターゲットはブランド品をよく購入する25歳〜45歳の女性で、彼女たちがブランド品を安心、安全に売買できる仕組みを提供している。
具体的には、ユーザーは出品の申し込みを行い、不要になったブランド品を預けるだけ。あとはRECLOが自宅まで商品を引き取りに来てくれて、ブランド品の真贋判定を含めた査定、値付け、出品、取引成立後の入金確認までワンストップで代行してくれる。ユーザーは委託販売以外にも買取を依頼できるほか、値段に同意できない場合は出品を取り下げることも可能だ。
「従来の買取業者と比較して、店舗や人件費などの中間コストを抑えられているので、査定金額は1.5倍〜2倍になっています」(アクティブソナー 代表取締役 青木康時氏)
出品された商品はRECLOが提携している10個のECサイトで販売。初月で60%近く、3カ月で80%が完売されていくので売れ残りにくくなっている。また購入者は100%正規品保証のブランド品が安く購入できる。
フリマアプリはトラブルや偽物といったリスクがあったり、買取業者は安く買い叩かれる可能性があったり……。これまでブランド品の売買につきまとっていた、さまざまな問題をRECLOが解決している。
アライアンス事業が成長を牽引
一昨年、「The RealReal(リアルリアル)」が日本市場から撤退するなど、「国内での中古ブランド品の委託販売は上手くいかないのではないか?」という見方も強かったが、青木氏によればRECLOは順調に成長しているという。
その背景にあるのが、アライアンス事業だ。今回発表した、auスマートパス内の「ファッションリユース」の開設もそうだが、RECLOはBUYMAやSHOPLIST、三越伊勢丹ホールディングスの子会社と提携するなど、アライアンスを推し進めている。
RECLOはあくまで黒子として委託販売、買取の機能を提供し、創出利益はレベニューシェアというスキーム組んでいるそうだ。
「我々のビジネスは商品数を集めることが事業を成長させていく上では重要です。これまで広告費を投下して、商品を集めていたのですが、それでは無理がありますし、近い将来、確実に行き詰まってしまう。そうではなく、企業のセカンダリーマネタイズを担えばいいんじゃないか、と。会員基盤を持っている企業と提携すれば商品数を集められますし、提携先企業は委託販売、買取が行えるようになれば会員の活性化にもつながっていくと思ったんです」(青木氏)
例えば、BUYMAで購入した商品をBUYMA内で買い取ってもらうことができれば、再度、BUYMAで洋服を購入してもらえる可能性が高くなる。また、auスマートパスの場合は委託販売、買取をすることによって現金以外にポイントを付与することもあるという。これにより、提携先企業は会員を活性化させることができ、RECLOは商品数を集めることができる、というわけだ。
RECLOは今後もアライアンス事業に注力していく予定だという。