アジア最大のテック会社Tencent(テンセント)が60億ドル(約6700億円)調達しようとしている。香港に上場している同社が今日、社債発行を発表した。
Tencentは2018年1月に50億ドルを調達している。今回は5本立ての発行で、これは今週初めに報じられた内容とほぼ同じだ。その報道では、50億ドルを調達しようとしていると推測されていた。社債は4月11日に発行されるとTencentは話した。
新たに調達する資金を何に使うのかは明らかではない。Tencentは発表文では詳細を語っておらず、この記事執筆時点でコメントの求めにも応じていない。
「Tencentはかなりのキャッシュポジションと豊富な上場証券を持っていて、財務内容は健全だ。今後も引き続き財務面をしっかり管理し、資本支出、投資、収益の正しいバンラス維持に努める」とCFOのJohn Lo氏は発表文で述べている。
Tencentは、中国で人気のメッセージアプリのWeChaで知られている。また、儲けの多いゲーム事業、そしてフィンテック、クラウド、ソーシャルメディアなども展開している。加えて、中国外の企業への投資も増やしていて、RedditやSnap、Teslaなどに出資しているほか、中国の公共事業もサポートしてきた。
Tencentの成功は、アジアで初の5000億ドル企業になった2017年末がピークで、その後は紆余曲折をたどっている。特に昨年は中国政府がゲーム向けの新たなライセンスの発行を凍結したことで売上を大きく減らし、そして投資家にも背を向けられかなり苦しんだ。
しかし、2019年は明るい兆しが見えている。中国のゲームライセンス発行が再開し、またIPOで40億ドルを調達したMeituanへの投資のおかげで再び増収となっている。Tencentは収益面でのゲーム事業依存を見直そうと、大きな組織再編も実行した。直近の四半期決算は全体的に芳しいものではなかったが、ソーシャルメディアやクラウドコンピューティング、フィンテックといった新手の事業が成長を見せた。Tencentの株価は2018年末から20%ほど上昇していて、これにより時価総額は約4560億ドルとなっている。
イメージクレジット: Qilai Shen/Bloomberg
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(翻訳:Mizoguchi)