中国最大のチップメーカーSMICが米禁輸リスト入りか

中国最大のチップメーカーであるSemiconductor Manufacturing International Corporation(SMIC、中芯国際集成電路製造)が増大するプレッシャーに直面している。迫りくるCEOの退職、そして米国による制裁についての報道が投資家を不安に陥れているのだ。

米商務省は禁輸リストに数十社の追加を予定している。対象となるのは主に中国企業で、その中には部分的に中国政府が所有するSMICも含まれるとロイターウォールストリートジャーナル紙が12月18日に報じた。この措置ではSMICが高度なチップセットを製造するのに米国のサプライヤーから主要部品を購入できなくなる。

サプライヤーとしてSMICに頼っている通信機器・スマートフォンの大企業Huawei(ファーウェイ)は、トランプ政権が同社をブラックリストに載せて主要なチップにアクセスできないようにしたのち、スマホ生産で苦戦している。

報道によると米政府は先月、SMICを軍事ブラックリストに加えて米国の投資家は同社の株購入ができなくなった。

SMICと商務省からコメントは得られていない。

禁輸リスト入りの報道は、社内政治でSMICの経営が揺らぐ中でのものだ。SMICは最近、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co、台湾積体電路製造)の元共同COOであるChiang Shang-Yi(チェン・シャン-イー)氏を副社長に指名した。その数日後に真偽の程は定かでないが、Liang Mong Song(リァン・モング・ソング)氏の辞職届がオンライン上で出回った。その中でSMICの共同CEOは、チェン氏の指名について知らされず、同氏の指名によって辞めることになったと述べた。

SMICはその後、CEOに辞職の意思があるかを確かめているとの声明を出し、これにより同社の株価は急落した。

SMICとTSMCの運命はファーウェイと強固に結びついている。かつてファーウェイの重要なサプライヤーだったTSMCは米国の新たな輸出規制を受けてファーウェイからの受注を停止した。SMICがTSMCの代わりとなるかもしれないという望みがあったが、業界ウォッチャーはスマホ向け最先端チップの製造に関してSMICはTSMCに数年遅れをとっていると指摘してきた。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:SIMC

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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