東京都と東京都中小企業振興公社は1月27日、東京における創業・起業支援の拠点として「TOKYO創業ステーション」を丸の内の明治安田生命ビル内にオープンした。同施設は「東京都長期ビジョン」の中の「イノベーションの源泉である起業・創業の促進」を目的とした事業の1つとして運営される。2024年までの期間に都内の開業率を米国・英国並みの10%台に上昇させることを目指している。
ビルの1階、2階にわたるTOKYO創業ステーション。1階は起業家同士の交流やセミナー利用ができるイベント・ラウンジスペース「Startup Hub Tokyo」(スタートアップ ハブ トウキョウ)。2階は創業支援をトータルで行う「創業ワンストップサポートフロア」がそれぞれ開設されている。
創業希望者が気軽に相談できる場を目指す
1階のStartup Hub Tokyoは起業家同士での交流を促進するイベント・ラウンジスペースをはじめとして、一部会員限定で利用ができるメンバーズサロン、キッズサロンなども設置している。会員になると、ラウンジでのフリーWi-Fiの利用や起業経験者のみで構成されているコンシェルジュへの相談も可能になる。初期の創業希望者が気軽に相談できる場を目指しているそうだ。
Webサイトからの入会手続きを行えば誰でも無料で会員になれるが、サロンの利用などを行うメンバーになるためには事務局に申請を行い、受理される必要がある。
2階の創業ワンストップサポートフロアは、東京都中小企業振興公社が運営を行う。元々中小企業の創業相談を行っていた同組織が、創業前から創業5年以内の起業家のサポートを中心に施設を運営していく。
「東京都と一体となり拠点を設ける、創業支援を強化するということで、拠点を秋葉原から東京へ移し、事業内容を大幅に拡充しました。プランコンサルティングや創業支援をはじめ、起業・独立をトータルでサポートしていきます」(東京都中小企業振興公社 事業戦略部創業支援課)
また、女性に特化した創業支援メニューも強化しており、現在は起業体験プログラムの「プチ起業スクエア」、起業仲間とビジネスプランを作る「女性起業ゼミ」という2つのプログラムを設置している。
「これまでも女性支援は行っていましたが、創業ステーションが出来ることを踏まえて、創業支援、就労支援まで踏まえた女性の起業支援に対して、更に力を入れることになりました。女性プランコンサルタントの配置するほか、女性に特化した少人数のゼミも開催します。小池知事が女性の活躍推進を提唱していることもあり、力を入れているところの一つです」(東京都中小企業振興公社 事業戦略部創業支援課)
スタートアップ的な雰囲気を持ったオープンなスペースに、具体的な創業サポートを行う施設が融合したTOKYO創業ステーション。東京にスタートアップの拠点をつくるという狙い通り、起業を増加させ、起業家の集まる場所という役目を担うことができるのか。