会社はどこも四半期ごと、あるいは年間の予実管理を行なっているだろう。DIGGLEはそうした予算策定と実績管理を簡潔にするサービスだ。タシナレッジは本日、予実管理サービスDIGGLEの正式版をリリースしたことを発表した。
DIGGLEのサービスについては以前の記事で詳しく説明しているが、DIGGLEは必要な情報を入力すると簡単に予算策定ができるサービスだ。予算シートと実績シートを作成し、それぞれチェックを入れると簡単に数値を合算することができる。会社のCFOや財務担当者はDIGGLEを使って、全社別や部署別などで予算と実績の差異を把握するのに役立ることができる。
DIGGLEは2016年12月末からベータ版を提供していて、これまでにおよそ430社のアカウント登録があったとタシナレッジの代表取締役を務める山本清貴氏は説明する。
今回の正式版では、新たに入力した予算と実績のグラフ化機能を加えた。また、正式版のリリースに伴い、有料機能として業種特化の予実管理用テンプレート「BTI 」の提供を開始する。BTIの第一弾は、SaaS事業者向けのテンプレートだ。
SaaS事業者はこのBTIに基づいて月初売上高と顧客数、月別に目標とする顧客単価、新規獲得顧客数、チャーンレートを入力すると、SaaSビジネスで重要なARPA(契約アカウントごとの月間収益)やLTV(ライフタイムバリュー)といったKPIを自動で算出し、予算計画に役立てることができる。
サービスのKPIと全社の損益計算書の数値は一致するはずのものだが、それを全てのエクセルシートで管理することは難しいと山本氏は指摘する。今回用意したテンプレートは、SaaS事業者のそうしたデータ管理の手間を削減すると山本氏は説明する。
このテンプレート「BTI for SaaS」は、2カ月のトライアル期間は無料で、その後は月額5万円(税別)で提供する。DIGGLEの基本機能に関しては、引き続き無料で提供する。
今後、SaaS事業者向けのBTI以外には、ソフトウェア開発やサイト制作などを手がける受託開発企業向けやECサイト事業者向けテンプレートを追加する考えだという。
今回追加したグラフ機能についても、グラフで予算と実績の差がある場所から、その原因が簡単に特定できるよう開発を進めていく計画だ。
「各企業が策定する予算の裏には戦略があると思います。DIGGLEを使うことで自分たちの立てた計画に対し、実行がどうだったかを把握し、次のアクションにつなげられるようにしたい」と山本氏は話している。
タシナレッジは2016年6月に設立した。 昨年開催したTechCrunch Tokyo 2016のスタートアップバトルのファイナリストに選ばれていて、2017年5月には総額5500万円を調達している。