京都エリアを中心に、安全・快適・信頼をモットーに移動を提供する彌榮自動車(やさかじどうしゃ。ヤサカタクシー)と独自のAIで最適化した空港送迎などのスマートシャトルを運営するNearMe(ニアミー)は4月13日、業務提携を発表した。タクシー業界のDXの更なる推進と、次世代のシャトルのあり方を見据えた共創取り組みのためとしている。
NearMeが手がけるルーティングの最適化を行う独自AIに合わせ、乗車客とタクシー会社をオンラインプラットフォームでつなぐことで、乗車客が多数言語対応ウェブサイトやアプリケーションにより、予約から決済までを可能としている。タクシー会社は、プラットフォームを通じ自社が対応できる案件を選択できる。
ヤサカタクシーは、同プラットフォームの活用によるルーティングの効率化により、エリア拡大の可能性を模索していく。また、マニュアル作業になっていた業務オペレーションも大幅に改善することで、予約規模の増加による業務負担も軽減されるという。両社の協業はまずは空港送迎から開始する。またアフターコロナも見据え、観光MaaSへの発展をにらみ市内移動をなめらかにする可能性も模索する。
昨今、タクシー業界でも即時の配車アプリや決済領域などでDXが進められているものの、事前予約における配車やルーティングの人手による運用、電話の個別対応など旧態依然とした業務がまだまだ残っているという。
DX推進はこれからといった状況の中、コロナ禍による京都の観光客数の激変が、タクシー業界にとっても次世代の運用を考えるきっかけになったとしている。
安全・快適・信頼をモットーに京都エリアで信頼を獲得してきたヤサカタクシーにおいても、この潮流は例外ではないと指摘。アナログな運用は、タクシー会社だけでなく、乗車客にとって不便なものになっており、特に海外からの旅行客にとって多言語対応が手間となっていることから、常に利便性向上を検討していたという。
ヤサカタクシーは、社内の業務効率化としての「守りのDX」だけでなく、顧客中心のDX、つまりAI活用による「攻めのDX」で乗車客に貢献できないかを検討。その中で、独自AIでルーティングを発展させ、タクシー会社とお客様をつなぐプラットフォームとして機能するNearMeと連携し、タクシー業界の革新に挑戦することとしたという。
ヤサカタクシーは、1945年9月の創業以来、一貫して「旅客運送事業を通じて地域社会に貢献する」ことを目標に掲げ、地道な企業活動を展開。京都・滋賀・大阪・兵庫・東京・埼玉・神奈川などの各地域において、確固たる地歩を築き上げてきた。
特にハイヤー・タクシー、路線バスは安全な市民の足として、観光バスは地域住民や企業で働く人々の観光旅行・レジャーに利用されており、学校教育の一環としての修学旅行や校外学習などにも寄与しているという。
また、テナントビル事業などの新分野にも積極的にシフトするなど、多様化する時代のニーズに柔軟に対応。現在では7業種17社、3700名を超える社員が働く企業集団に成長している。
2017年7月設立のNearMeは、リアルタイムの位置情報を活用して地域活性化に貢献する「瞬間マッチング」プラットフォーム作りを目指し、まずシェアリングエコノミーのMaaS(Mobility as a Service)領域からスタート。
2019年8月、空港版のオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」の「nearMe.Airport」(ニアミー エアポート)を開始。独自AIを発展させ、ルーティングの最適化をはかってきた。
このルーティングの技術を活用し、コロナ時代においても、不特定多数ではなく、少人数かつ誰が乗車したか追跡できる方法で活用可能な通勤シャトル「nearMe.Commute」(ニアミーコミュート)や、快適な移動を創造する「タクシーの相乗り(nearMe.)」アプリ(Android版・iOS版)、またオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」を展開している。
関連記事
・東京で大学入試の受験生を応援、NearMeとUnitoが空港送迎付き3泊4日ホテル宿泊プランを販売
・NearMeが成田・羽田空港と都内を結ぶ送迎シャトルサービス対象エリアを23区へ拡大
・オンデマンド型シャトルサービスを展開のNearMeが5億円を調達、今後は空港シャトルなどの新規路線開拓を進める
・オンデマンド空港シャトルなどを手掛けるNearMeがジョルダンの「乗換案内」と連携、検索結果から予約可能に