ぼくの家族の半分が(そしてたぶんインターネットの半分が)、全員、目とスマートフォンをブラックフライデーの、ある同じ売り出しページにロックオンしている。そして、Amazonなどの大型ネットショップはみながっかりすると思うが、それは彼らのどれでもない。
ワイルドなブラックフライデーのワイルドなジョークとして、Cards Against Humanity(“人道に反するカード”、有名なパーティーゲームのパロディーバージョン)は、10分おきに、さまざまなとんでもないアイテムを99%値引きで売っている。家族が今凝視しているのは、そのページだ。Orlando Bloomの等身大の切り抜き写真が75セント、1.5カラットのダイヤモンドが32ドル…。
今日午前中には、こんなものも売り出された:
- 20ドル札が20セント
- Sonyの85インチのテレビが35ドル
- 二人で5日間のフィジー旅行71ドル60セント
- 生きた蟻600匹66セント(下図)
- 2015年型Ford Fiesta97ドル50セント
- ポンチョ簡易トイレ、“そこへウンチができるポンチョ”9セント
- レストランApplebeesの800ドルのギフトカード8ドル。あまりほしくない。
- Bill Pullmanがインデペンデンス・デイで着たフライトスーツ
ほとんどのアイテムが、それ一つだけしかなくて、最初に[買う]ボタンを押して簡単な質問に答えた人のところへ行く。質問は、ボットでないことの証明だ。
ではでは、CAHはどうやってお金を儲けるのか?
儲けない。同社のFAQを見てみよう:
これは本物か?
イエス。これらの製品はすべて99%値引きで実際に提供されます。お買い上げになった方に発送いたします。値引率が大きすぎてジョークとしか思えないが!
本当に値引き可能なものだけを選びました。それが、ブラックフライデーの奇跡です。グローバルな金融システムがこれらの売買を扱えるか?
さまざまな経済指標によると、答はノーです。御社はたくさんのお金を失いますね
まさにイエス。これはわが社にとって 財務の破綻です。
ほかの者がこれをやったら、誰も信じないだろうが、ブラックフライデーのやりすぎジョークはCards Against Humanityならではの芸だ。批判でもあり、自社の宣伝でもあり、ジョークでもある彼らの芸は、いつもブラックフライデーの馬鹿らしさを暴くと同時に、みんなを笑わせる。
昨年同社はポテトチップ企業へ転身し、一時的にゲーム事業からドロップアウトして、代わりに“Prongles”を売ることに専念した。2016年のブラックフライデーでは、10万ドル払って穴を掘るよう人びとを説得し、数年後には金を払って穴を掘ったことが笑える思い出になるよ、と売り込んだ。2015年には、文字通り、nothingを売って7万ドルを稼いだ。買う人は、5ドル払ってnothingを買うのだ。買った人には実際に何も送らなかったから、まさに本物のnothingを売ったのだ。〔7万ドルを何に使ったか。〕
99%値引きで売られるものには、映画で使われた小道具の実物も多かった。今回、“buy”(買う)ボタンを最初に押せなくて、Dan Aykroydが映画“Coneheads”でかぶったコーンヘッド(下図)を買えなかった人は、同社の本物の製品を買える。それは“Absurd Box,”(おバカ箱)と呼ばれ、彼らの新作のカードが200枚入ってて20ドルだ。それは、ふつうに買うと2000ドルだそうだ。