人間が操縦する飛行機に随行するボーイングのWingmanドローン

オーストラリアには1つ以上の意味で明日が来ている。もちろん、まずは現地はもう27日だということ(元記事は米国時間26日に公開された)だが、それ以外の明日も来ている。戦闘機と一緒に飛行するAI自動操縦ジェット機を開発中なのだ。どうして私たちはそれを思いつかなかったのだろう?それはボーイングオーストラリアの共同プロジェクトである。だがおそらく米国の業者に製造委託を行うはずだ、そうなれば情報を得ることはできる。知り合いもいることだし。

現在開発中で2020年に初飛行を予定しているその航空機は、軍の任務で飛行するパイロットの忠実な僚機となることを目指している。その名前、「Loyal Wingman」(忠実な僚機)から、それがどのようなものかは想像できるだろう。正式名称は「Boeing Airpower Teaming System」なので、その頭字語はBATSとなる。だが実際にはコウモリ(Bats)のようには見えないので、この略称が流行ることはないだろう。

本質的には、これらは他の飛行機に随行し、編隊で飛行して防御能力を提供するドローンなのだ。これは軍事力を強化するものであり、空軍により多くの投資を重点的に行う他国ほど、十分な数のパイロットや主力機(すなわち最新型戦闘機)を揃えられない政府にとって重要な意味をもつ。

ボーイングインターナショナルの社長であるMarc Allen氏は、声明の中で、この飛行機の国際展開の側面を、(当然のことながら)次のように強調している。

この航空機はボーイングにとって歴史に残る試みです。それは米国外で開発されているだけでなく、私たちのグローバルなお客さまが、ご自身の国特有の要求を満たすために、ローカルなコンテンツを統合することができるようにも設計されているのです。Boeing Airpower Teaming Systemは防衛機能の側面に変革的をもたらします。そしてオーストラリアが主導する当社のお客さまたちは、ハイテク労働力を含む、国家を強化する能力と共に、私たちのプログラムの強力なパートナーとなるのです。

言い換えれば、米国外で投資を行うことで、ポートフォリオを少々多様化させることができて嬉しいということだ。

本日(豪州時間2月27日)、フルサイズのモックアップがオーストラリア国立航空ショーでお披露目された。

かっこいい。

Loyal Wingmanの長さは38フィート(11.6メートル)で、航続距離は2300マイル(3701キロメートル)である。それは自律操縦で飛ぶことになるが、もちろん遠隔操縦をすることも可能だ、そして様々なセンサーパッケージや、その他の装備を搭載することができる。とはいえ私は、これらが空中戦に参加するとは思わない。それらは、例えば研究用や貨物用の航空機では実施が困難な、偵察と監視の使命を、支援し実施することを目的としている。

とにかく、軍事の世界での単独調査ドローンの人気を考えれば、この種の「追加の目」機能には大いに意味があり、避けられないもののように思える。ボーイングのアプローチが世界各国の政府で採用されるものになるかどうかは、もちろん出来栄えにかかっているので、Wingmanが実際に飛行を始める2020年には再びこの話題を取り上げたいと考えている。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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