GoogleのChrome OSノートブック機Chromebooksのニッチが、拡大を続けている。とくに学校などでは、児童生徒の集団がiPadの安価な代替機として重宝している。また合衆国では、一般消費者にも浸透しつつある。
アナリスト企業Gartnerがこのほど発表した最新の予測によると、今年の全世界のChromebookの売上は前年比で27%増加し、730万台となる。
昨年の8月にこの調査会社は、Chromebookは向こう5年間、ニッチ市場にとどまる、と予測し、2014年の売上台数を520万台としたが、それは過小評価となり、実際には昨年、570万台売れた。
PC市場全体に関しては、Gartnerの報告では今年第一四半期の世界のPCの売上はほぼ7200万台である(ただしGartnerの数字では、ChromebooksはPCに含まれていない)。
昨年のChromebookの売上の72%は、学校が買っている。ほぼ全世界的に学校がメインだが、学校の比率が最大の地域はEMEA地域(欧州・中東・アフリカ圏)だ。
昨年GoogleはGoogle Play for Educationを拡張して、そのeブックストアをAndroidタブレットからChromebookにも持ち込み、同機に教育用機材としての箔をつけようとしている。
Gartnerによると合衆国では、Chromebookが消費者市場でも成功を収めつつある。合衆国だけでは、全売上の1/3以上が一般消費者向けだ。ただし合衆国以外の消費者には、まだブランドとして定着していないようだ。
GoogleはオフィスアプリケーションのスイートChromebook for WorkでChromebookの企業利用も積極的にプッシュしているが、効果はいまいちだ。でも同社は、倦むことなく、オフラインでも使えるアプリケーションやサービスの拡大に努めている。
Gartnerは、Googleのこういった努力がいずれは実を結ぶ、と見ている。企業が、現場用機器などにローコストと容易な管理を求めるなら、Chromebookは必ず選択肢の中に入るだろう、と。
Chromebookが市場に投入されたのは2011年だが、Googleはこの製品について長期戦の構えでいるようだ。長期というのは、たとえば、学校でChromebookを使ったユーザが、やがてどこかの企業の社員になる、というスパンだ。そのころには、企業におけるChromebookの採用が、一大飛躍期を迎えるかもしれない。
なお、2014年のChromebookの売上の84%は北米地区だ。次に大きい市場であるEMEA地区は11%だ。アジア太平洋地区は3%にも満たない…その主な国はオーストラリアとニュージーランドと日本である。