iCloud写真流出は、Appleのセキュリティー欠陥か?
新型iPhone発表を間近に控えたAppleに、センセーショナルな事件が起きた。
ジェニファー・ローレンス、アリアナ・グランデ、ビクトリア・ジャスティス、ケイト・アプトンら100人前後の女性セレブのヌード写真が流出した事件は、当初IT系以上に一般メディアで大きく報じられたが、出所がAppleのiCloudであり、そのセキュリティー対策に不備があるのではないかと指摘されて以降、話題は流出写真そのものから、Appleのセキュリティー問題へと発展した。
Appleは、セレブのヌード写真流出に関してiCloudへの不正アクセスを認めたものの、システムのハッキングは否定した。たしかに、サーバーが不正侵入されたわけではなく、セレブらの個人アカウントが、パスワードの類推、秘密の質問のソーシャルハックなどで破られたために起きたことなので、「システムがハックされた」のではないことは事実だ。しかし、iPhoneやiCloudを普通に使っているだけで、こうした事件が起きたことは、広い意味で、システムが脆弱であると言われても仕方がないだろう。特に、事件をきっかけに「2ステップ認証」の利用が多方面で推奨されているが、Appleの2ステップ認証は、iCloudバックアップとフォトストスリームを保護していないことが発覚して、さらに批判が高まった。被害にあったセレブたちが、仮に2ステップ認証を使っていたとしても、パスワードが盗まれた場合には、バックアップの復元等の方法によって、侵入されていたかもしれない、と記事は伝えている(ただし、それ以外の点では、2ステップ認証によってセキュリティーレベルが高くなることに間違いはないので、「2ステップ認証が無駄」という意味ではない。筆者もこの機会に導入した)。
さらに、TechCrunchのMatthew Panzarino共同編集長は、Appleはセキュリティー問題への対処で透明性、対話性を改善する必要があると訴えている。これは、Appleがセキュリティー問題に関する情報を、社外にあまり公開していないことを指摘したもので、日頃からセキュリティー・コミュニティーの声に耳を傾けていれば、今回の事件も未然に防げていたのはないかとしている。
そんな折、Twitterは、HackerOneを通じてバグ探し懸賞プログラムを開始した。これは、セキュリティー専門家を対象にして、Twitterのバグを発見した場合に最低140ドル以上の報奨金を払うプログラムだ。これはまさに社外コミュニティーの協力を仰ぐものであり、TwitterがAppleの事件を受けてこの時期に公開した可能性はある。
Apple、支払いサービス参入か?
あと1日もすれば真実かどうかはっきりすることだが、9月9日に「発表」されるかもしれないiWatchは、NFC(近距離無線通信)を内蔵し、それはAppleのモバイル支払いビジネス参入を意味する、とWall Street Journalは推測している。Androidウォッチが多数出回る中、iWatchがiPhoneと連携するとしても、それだけでは大きな魅力にはならないが、支払いに使えるとなると話は違う。iTunesの膨大な数のアカウントに加えて、iPhone+iWatchコンビによる2要素認証が可能になれば、Appleにとって大きな差別化要因になるだろう。
とはいえ、「そもそも腕時計をしない」層を説得するだけの理由になるのかどうかはわからない。iWatchに限らず、スマートウォッチやウェアラブルを使い続けることは、スマートフォンに加えて、もう一つ、充電やデータの同期に気を遣わなければいけない対象が増えることを意味している。そのあたりの扱いやすさがどうなるかも含めて、やはりiWatchには注目せざるを得ない。
スマートウォッチの盤面は矩形にかぎる
噂のiWatchを含め、スマートウォッチといえば矩形(四角形)が普通だ。それなのに、なぜこんなことを言うのかといえば、Motorolaの円形ウォッチMoto 360の人気が高いからだ。Google I/Oカンファレンスのおみやげとしてスマートウォッチが配られたが、「矩形」よりも、まだ実物すら手に入らなかったMoto 360ばかりが話題になった。そして、今度はLGまでもが、G Watch R(写真)で円形ウォッチに参入した。
たしかに円形ウォッチは見映えがよい。長年時計というものが円形だったこともあるだろうし、「大きさ」も感じにくい。G Watch Rなど、写真を見ただけでは普通のアナログ時計かと思ってしまう。
しかし、Frederic Lardinois記者は「円形のウォッチは時間を見るための機械式ウォッチとしては良くても、スマートウォッチは時間を表示するだけでなく、ほかにもいろんなことをする。」と言い、画面を有効活用できていないことや、文字盤の文字が小さくて読みにくいことなどを指摘している。
「時計として優れている」ことは、腕にはめるからには重要だとは思うが、「それだけならスマートウォッチの必要がない」ということだろう。
しかし、この円形ウォッチ「騒動」(と彼は呼んでいる)は、四角か丸かという以前に、スマートウォッチそのものの使い道が〈まだ〉わかっていないことを象徴していると私は考えている。
Twitpic、突然の閉鎖
その昔、Twitterは純粋に「140文字のコミュニケーションツール」だった。もちろん画像など使えない。そのうち、どこかに置いた画像へのリンクをツイートに含めることによって、仮想的に画像入りツイートをする人たちが出てきた。当然クリックしなければ画像は見えないが、サードパーティー製のTwitterアプリを使えば、ツイートの中に画像を表示することも可能だ。Twitterのための画像ホスティングサイトは数多あるが、Twitpicは中でも草分け的存在で、2008年から運用してきた。
しかし、多くの付加サービスがそうであるように、本家Twitterが画像をサポートしたことに伴い、Twitpicの利用は減る一方だった。ただし、今回の閉鎖はそれだけが理由ではない。Twitterからの「商標に関する法的要請」が原因だと、Twitpicは言っている。以前からTwitterは、サードパーティーアプリの “Twitter” に関わる名称に対して神経をとがらせてきたが、なぜこの時期なのかは謎である。
Twitpicは9月25日に閉鎖する。既存ユーザーが、これまでに蓄積したデータをエクスポートするためのツールは現在準備中とのこと。
Facebook、ユーザーに共有範囲の意識を高めさせる
Facebookとプライバシー問題は、切っても切れない関係にあるが、このたび 「共有範囲を確認」メニューを新設し、3ステップでプライバシー設定をチェックできるようにした。投稿の共有範囲(全体に公開、友達のみ、等)は、以前から指定可能だが、うっかりミスでプライベートな内容が全体公開されたりする失敗が起こりうる。今回の新メニューは、ユーザーに共有範囲を強く意識させることによって、危険を少しでも減らそうというものだ。
何かというと、「友達を増やせ」「もっと共有しろ」というのがFacebookの方針のようだが、共有範囲がよくわからないために、ユーザーが投稿や写真の共有をためらうようでは意味がない。こうして、親切?に教えることによって、ユーザーが安心してシェアできるようにする、というのが狙いだろう。
新メニューは日本語化も済んでいるが、例によって全ユーザーが利用できるようになるまでには時間がかかる。
Galaxy Noteに「エッジディスプレイ」がついた
SamsungからGlaxy Note 4が発表されたが、同時に発表されたGalaxy Note Edgeには、かなりユニークな特徴がある。「エッジディスプレイ」と呼ばれる、曲面のディスプレイが、メイン画面の横についている。上の写真ではわかりにくいが、画面右端にアイコンが並んでいる部分がエッジディスプレイだ。下の動画を見るとよくわかる。
使い道は、アプリのコンテキストメニューや、カメラの機能スイッチなど、様々だ。「曲面」にすることによって、狭いスペースを活用できたのだろう。
同じAndroidでも、スマートフォンと比べると、決定的存在のいないAndroidタブレットだが、果たしてエッジディスプレイを有効活用するたアプリケーションは出てくるのだろうか。ともあれ、こういう挑戦は、Appleにはなかなかできないことなので、Androidならではの「多様性」と言えよう。
Nob Takahashi / facebook