ボストンに拠点を置くVentureAppは、オンライン・モバイルチャットのハブとして、ユーザーの仕事関連の連絡先やビジネスニーズをまとめ上げることで、仕事上のメッセージのやりとりをより簡単にしようとしている。この度同社は、Accompliceがリードインベスターを務め、Fullstack VenturesやBoston Seed Capital、さらに多数のエンジェル投資家が参加したラウンドで400万ドルを調達した。
実は私は1年以上前に、VentureAppが小規模企業(特にスタートアップ)に向けてサービスを提供している企業のマーケットプレイスを運営していた頃に彼らの名前を聞き、知人の紹介を通じて、共同ファウンダーのChase Garbarinoと知り合っていた。
当時のVentureAppのプラットフォームは、弁護士などの専門家を探している企業に利用されていた一方で、最も人気のあったサービスはプラットフォームに埋め込まれたメッセージ機能だった。そこから彼らのビジネスは大きく変化することになる。
仕事関係の人とのチャットに使える良いアプリが現在ないことから、彼らはVentureAppのメッセージ機能を、プラットフォームのいち機能として留めておくのではなく、単独のプロダクトとして開発することに決めたのだ。
今まで私たちは、人と連絡を取るときに利用するサービスを大きくプライベート用(Facebook)と仕事用(LinkedIn)に分けてきた。しかし、FacebookのMessengerやWhatsAppといったソーシャルメッセージングアプリが急速に成長している一方、LinkedInのメッセージ機能は以前からほとんど変わっていない。さらに、LinkedIn上のやりとりの大半が、勝手に送られてくるリクルーターからのメッセージやスパムであるため、ユーザーはほとんどのメッセージを読まずに無視してしまっている。
そこでVentureAppは、仕事関連のやりとりをまとめられるような、新しいメッセージプラットフォームを提供しようとしているのだ。VentureAppにログインすると、ユーザーはGmailやGoogle Apps、Outlookの連絡先とVentureAppを接続でき、LinkedInのコンタクト情報もアップロードできるようになっている。連絡先のインポートが完了すれば、ユーザーはどのサービス上にいる人に対しても、メッセージを送れるようになる。
企業が日常的にスパムメッセージを送ってくるLinkedInとは違い、VentureAppはユーザーに対して勝手にメッセージが送られないような対策を講じている。ユーザーは自分の連絡先に含まれている個人や企業に対してメッセージを送れるが、企業から個人のユーザーへはメッセージを送れないようになっているのだ。さらに全てのチャットにオプトイン方式を採用しているため、ユーザーはやりとりを始める前に、他のユーザーから送られてきたメッセージを受け取るかどうかを選択できる。
またLinkedInは、ユーザーが直接知らない人と繋がったり、知らない人にInMailを送れるようにしたりすることで収益をあげているが、VentureAppは全く逆のアプローチをとっている。彼らはプラットフォームに登録したい企業から利用料を徴収し、企業からではなく、必要に応じてユーザーが企業にコンタクトできるような仕組みをとっているのだ。
CEOのGarbarinoは、Streetwise Mediaを一緒に立ち上げたKevin McCarthyとGreg Gomer、さらにはDailybreakの共同ファウンダーであるBoris RevsinやJared Stenquistと共にVentureAppを設立した。同社はひそかに30人規模の企業へと成長し、現在では200社もの企業を顧客に抱え、VentureAppのプラットフォーム上に顧客企業のプロフィールを掲載している。なお今回の調達資金は、モバイルアプリ(現在ベータ版)を含めた、プラットフォームの機能拡充に充てられる予定だ。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)