仮想通貨取引所「Zaif」から仮想通貨約67億円流出、フィスコGが50億円支援で株式過半数取得

テックビューロは9月20日、同社が運営する仮想通貨取引所「Zaif」においてハッキング被害により総額67億円相当の仮想通貨が流出したと発表した。ハッキング被害にあった仮想通貨は、BTC、MONA、BCHの3通貨。流出した67億円相当の仮想通貨のうち、45億円が顧客からの預かり資産であり、残りの22億円は同社が保有する資産という。

この流出事件をうけ、テックビューロはフィスコのグループ企業であるフィスコデジタルアセットグループの子会社に支援を要請。これにより、フィスコデジタルアセットグループはテックビューロの株式の過半数を取得し、50億円の資本提供を行うこととなった。

2018年1月に発生したコインチェックのNEM流出事件と同じく、今回のハッキングのターゲットとなったのもホットウォレット(ネットワークに接続されたウォレット。手軽に仮想通貨を取り出しやすい一方で、セキュリティに懸念がある)だった。テックビューロは顧客からの入出金に対応するために、顧客からの預かり仮想通貨の一部をホットウォレットに保管している。その入出金用のホットウォレットを管理するサーバーに対し、2018年9月14日17時頃から19時頃までのあいだ、外部からの不正アクセスが行われたという。具体的なアクセスの手法については、公表されていない。

現在、テックビューロは入出金を停止している。再開のめどは立っておらず、「システムの安全性が確認われることが前提」と同社はコメントしている。流出した預かり資産について、同社はフィスコデジタルアセットグループから調達した50億円によって流出した分の仮想通貨を調達し、「お客さまの資産に被害が及ばないように準備を行う」(テックビューロ)としている。フィスコから調達した資金は今月下旬には提供されることを前提として、準備・交渉をしているという。

なお、ロイターが報じたところによれば、金融庁は20日にもテックビューロへの立ち入り検査を実施する予定だという。

テックビューロは今回の流出事件をうけ、「(テックビューロ経営陣は)過半数の支配権を取得するフィスコグループの経営陣に引き継ぎなどをする責務をまっとうした場合、経営責任として弊社の役員を退任する方針だ」と発表している。

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TechCrunch Japan

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