任天堂のNES Classicはとてつもない勢いで売れている。これは懐かしのNESゲームをプレインストールしたミニ・ガジェットだ。同社は150万台以上を販売したことを明らかにした。実のところ供給が順調だったらはるかにたくさん売れたはずだ。このレトロなゲーム機はクリスマス商戦の目玉で、誰もが探し回っているのにどこでも売り切れだった。
今でさえ買うのは大変だ。Amazon、GameStop、Best Buyいずれも売り切れだ。たまにどこかで売られていると思えば最低でも60ドルと2倍以上のプレミアム価格となっている。今週の四半期決算の後の電話記者会見で(GameSpotによれば)君島社長が品薄状態を改善するために生産能力を増強することを約束した。またNES Classicを買えなかった消費者に対し「不便をおかけした」と謝罪した。
NES Classicにはヒット作30タイトルがプレインストールされている。また同梱のコントローラーはオリジナルのNESのものにそっくりのレプリカだ(ただしケーブルはずっと短い)。このレトロ・システムは平均的な手の平よりやや大きい程度のミニサイズで、重さもほとんど感じない。HDMI出力と充電可能なUSBポートがあり、持ち歩きも簡単で、ほとんどどんな環境でもプレイできる。
製造、販売のコストはきわめて低いはずで、それ自身でも信じがたい成功作だ。しかし任天堂にとって本当の価値はブランドをリニューアルし、年齢を問わずゲームファンにアピールできたところにあると思う。高い年齢層に対しては若い頃に熱中したゲームへのノスタルジーを呼び起こし、あらためて任天堂とのつながりを作った。若い層に対しては専用ゲーム機の能力と名作ゲームの永遠の魅力を紹介することができた。
本質的にいって任天堂の強みの本質はマリオからポケモンまで誰もが知っているヒット・ゲームを所有していることだ。任天堂はこうしたゲームをモバイルなど新しい環境に向けて進化させることに成功しただけでなく、NES Classicによって既存のゲーム資産を再活性化させた。【略】
NES Classicのヒットは近く出荷が始まるSwitchにとって大きな助けとなるだろう。Classicは任天堂が優れたゲームメーカーであることを多くの人々に思い出させただけでなく、過去の名作ゲームが古びないことも実証できた。
〔日本版〕国内向けはニンテンドークラシックミニで筐体、コントローラーともデザインはかなり異なる。国内版はコントローラーのサイズがNES Classicの半分程度と小さく、2個同梱される。機能、ゲームタイトルはほぼ同一だが多少の出入りがある。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)