予測分析(predictive analytics)のInferは、データを活用して日々の営業努力をより効率化するサービスを顧客各社に提供してきた。それがこれまではかなり成功してきたため、このほど、Redpoint VenturesからシリーズAで2500万ドルの調達にこぎつけた。
営業チームはInferが提供するプラットホームを使って、見込み客への接客努力を最適化し、売上の確保に結びつける。そのためにInferが分析するデータは、その会社のCRMのデータや、そのほかの営業マーケティング関連のデータ、それにWebなどから一般的に入手できる経済データや地域データ、業界データなどだ。それらからInferは見込み客のランキングを行い、より有望な見込み客へのアプローチを営業チームに勧める。
営業は‘見込み度’が上位の見込み客に営業努力を傾注することによって、売上一件あたりの営業日数を短縮し、その結果として一定期間により多くの見込み客にアプローチできるようになる。
Inferのこの前のラウンドは18か月あまり前で、そのときはRedpointのリードのもとにAndreessen HorowitzやSocial+Capital Partnership、Sutter Hill Ventures、そして数名のエンジェルたちから1000万ドルを調達した。
しかしその後の同社の成長が著しくて、四半期ごとに150%〜250%という高率で成長を続けた。協同ファウンダでCEOのVik Singhはそう語る。顧客企業の中には、AdRollやCloudera、New Relic、Optimizely、SurveyMonkey、Xactly、Zenefitsなど有力なインターネット企業も少なくない。
同社自身の営業サイクルも、これまでに40%から50%短縮された。Singhによると、顧客企業が予測分析に基づく営業努力により営業サイクル(一件あたり営業所要期間)を短縮できるようになると、Infer自身の営業サイクルも短くなるのだ。
顧客企業の多くは、駆け出しではないベテラン企業が多いから、Inferが提供するツールのメリットもよく分かってくれる。最近では、Inferの導入を事前に予算化する企業も少なくない。
今回のシリーズAの資金は、同社自身の営業マーケティングチームの増強による成長の加速に充てられる。すでにその方面のリーダーとして、元Boxの営業担当EVP Jim Herboldと、SalesforceのVP Jamie Grenneyを同社はスカウトした。
また、元FacebookにいたJoe Gershensonや、ビッグデータ分析のPalantirにいたJacob Scottを招(よ)び寄せるなど、技術陣の増強にも取り組んでいる。
Singhによれば、すでにシリーズBに関心を示している投資家も少なくないが、同社としては、重要な取締役会メンバとしてSatish Dharmarajがいることもあり、今後もRedpointを投資の幹事会社として遇する。一方、今回RedpointがInferに倍賭けしているのは、同社の業績が目標を大きく上回っているからだ。
Dharmarajは曰く、“この会社は言ったことは必ず実現する。しかもさらに重要なのは、ユーザ企業が、Inferのプロダクトをとても気に入っていることだ”。
というわけで、今のInferは二重丸の企業。これからは同社のマーケティング努力により、末端の営業の人たちにInferブランドへの信頼と愛着…ブランドロイヤリティ…を育てることが、重要だろう。そうすれば、Infer自身の営業努力が今後ずっと楽になる。
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))