伊藤忠がバーチャルアーティストのアジア展開に本腰、「にじさんじ」運営のいちからと資本業務提携

バーチャルアーティスト(VTuber)事業を展開するいちからは4月14日、総額19億円の資金調達を発表した。第三者割当増資による調達で、引受先はLegend Capital、ソニー・ミュージックエンタテインメント、けいはんな学研都市ATRベンチャーNVCC投資事業有限責任組合、伊藤忠商事。累計の資金調達額は、これまでの10億円超と併せて30億円超になる。

今回調達した資金は、バーチャルアーティスト事業を支える人材への投資とバーチャルアーティスト事業における新規事業開発に投下される。

伊藤忠はバーチャルアーティスト事業について、現実の世界では困難な演出にも挑戦できるなど事業開拓の可能性が高い新たなエンターテイメント領域として注目。今回の提携は、既存のアニメコンテンツ産業を押し上げる日本発の新たなIPとして海外展開を見据えたものとなる。今後、伊藤忠グループのネットワークと知見を生かし、中国をはじめとする海外におけるバーチャルアーティスト事業の展開を支援していく。具体的にはバーチャルアーティストのキャラクターグッズの商品化、音楽展開、リアルイベントの実施といったの複合的な展開をサポートし、新たなアニメコンテンツ市場の創出を目指すとのこと。

いちからは、国内最大級のバーチャルアーティストグループ「にじさんじ」など、バーチャルアーティストに特化した事業を展開する、2017年5月設立のスタートアップ。YouTubeにおける累計チャンネル登録者数は1000万人超、配信動画の累計再生回数は10億回超となっている。人気アーティストの商品・デジタルコンテンツの販売、リアルイベントの実施など事業を多角的に展開している。さらには、中国、インドネシア、インド、韓国などにも事業を展開している。

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TechCrunch Japan

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