伊藤忠商事は8月30日、クラウドポートに出資し戦略的事業パートナーになったことを明らかにした。出資額は非公開。クラウドポートは、資産運用したい個人投資家と事業資金を借りたい企業を結ぶ貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds」を運営する、2016年11月設立のスタートアップ。
伊藤忠によると、国内企業の個人向け社債の年間発行額は約1.5兆円ほどで推移しているものの、海外との比較では資金調達手段における社債比率は依然として低く、今後拡大の余地は大きいと考えていたことから、クラウドポートとの提携に至ったとのこと。
Fundsは、予定利回り1.5~6%の貸付ファンドを扱うオンラインマーケットで、ミドルリスク・ミドルリターン型の社債に類似した小口金融商品に投資できるのが特徴だ。現在、個人投資家の登録者数は増加しており、企業に新たな資金調達手法を提供する手段として注目されている。
伊藤忠はクラウドポートの事業パートナーになることで、Fundsにおける個人投資家の拡充を支援するとともに、伊藤忠グループのネットワークを活用して資金調達需要のある企業にクラウドポートのサービスを紹介していく予定だ。さらに、伊藤忠商事の金融事業のノウハウを活用し、クラウドポートと共同で金融商品の組成・販売を検討し、資産運用市場の活性化を目指すとのこと。