民泊やライドシェアなどが普及し、シェアリングエコノミーが身近になってきているが、職場の会議室もいずれはシェアするものになるのかもしれない。会議室のシェアリングサービスを展開するスペイシーは本日、ニッセイキャピタルおよび既存投資家のフリービットインベストメントらを引受先とし、総額2億円の第三者割当増資を実施した。また、調達と同時に4月より新たに会議室の運用代行サービス「だれでも会議室」を提供すると発表した。
スペイシーは遊休スペースを会議室として一般ユーザーに貸し出せるシェアリングサービスだ。ユーザーはスペイシーのサイトから会議室を利用したい地域や時間帯、無線LANやホワイトボードなどの使いたい設備から検索することができる。場所にもよるが、利用料金は1時間500円程度から利用できる。これまでに登録されている会議室は首都圏ビジネス街を中心に2000室になり、これまでに60万人以上が利用したという。
今回の資金調達は、プロダクト開発や人材採用に充てるとスペイシーの代表取締役を務める内田圭祐氏は話す。特にスペイシーの会議室の登録物件を増やすことに注力していく計画で、本日発表した「だれでも会議室」サービスはそのための施策だという。「だれでも会議室」は物件オーナーや企業向けにWiFiや什器といった備品の提供から運営代行、保険までカバーした会議室の運用代行サービスだ。賃貸で物件を借りている企業や個人には、物件オーナーから貸し会議室として運営する許可を得るところからスペイシーで担うという。
会議室運用を始める際に一番のハードルとなっているのがこの物件オーナーへの説明と交渉と内田氏は説明する。物件オーナーから許可を得ることを手間に感じるユーザーが多く、そこで会議室運用を諦める人も多いのだそうだ。スペイシーは「だれでも会議室」でそうしたユーザーの代わりに物件オーナーにサービスの内容やリスクを丁寧に説明し、理解してもらった上で許可を得られるようにするという。
今後の事業展開としてはC2Cのサービスのみならず、法人向けにもプランを提供していきたいと内田氏は言う。今後ビジネスパーソンのリモートワークが進み、貸し会議室を利用する機会も増えるだろう。リモートワークを取り入れる企業が社員のために外で利用できる会議室をいくつか確保し、社員らが自由にいつでもどこでも会議室を利用できるようにするプランをスペイシーで提供したいと内田氏は話す。
スペイシーは2013年10月に設立し、2016年4月の調達ラウンドで複数の投資家から数千万円規模の資金調達を行った。また、スペイシーは2016年11月に開催したTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルには、広告スペースと広告主をマッチングするアドスペイシーというサービスで参加した。このアドスペイシーに関しては、広告の掲載店舗の開拓に動いているところと内田氏は話している。