本稿では先週1週間(4月28日から5月4日)の記事の中から、日本版では取り上げられなかったが、面白そうなものを紹介したいと思う。
ますます激しくなる(らしい)人材獲得競争
ウェアラブルやIoT(Internet of Things)が進化していくことで、ますます優秀なエンジニアのニーズは高まりつつあるとのことだ。
そんな中、HackerRankの共同ファウンダーであるVivek Ravisankarによる「How to Hack Hiring」(採用活動をハックする)という記事が掲載されていた。思い込みを捨てて効果的な採用活動を行おうという内容だ。ちなみにここでの「思い込み」は採用担当者側のもの。
ありがちな「思い込み」の例として以下のようなものが挙げられている。
- 優秀な技術者はスタンフォードにしかいない
- 面接時の質問のユニークさが多様な人材確保に役立つ
- プログラマーの採用にはホワイトボードを用意して、コーディングさせてみるのがベスト
- 採用計画が完了すれば、選外となった応募者のことはどうでも良い
「質問のユニークさ」とは、Googleの面接でも出題されていたクイズ風の質問のことだ。しばしば「世界にピアノ調律師は何人存在するだろうか」という例が挙げられる。こうしたタイプの面接について、Googleは「完全に時間のムダだった」と評価するにいたっているのだとのこと。
面接スタイルというのは、流行に大きく左右されるという面もあるようだ。
大成功裏にKickstarterプロジェクトを完了したPlay-i
優秀な技術者にかくまで大きなニーズがあるのであれば、子供を優秀な技術者に育てるのは考えられるオプションだろう。その一助となりそうなのが、TechCrunchでも何度も取り上げてきているPlay-iだ。
Kickstarterでも(大方の予想通り)大成功をおさめた。そのPlay-iが、なぜKickstarterを選んだのか、あるいはキャンペーンをどのように運用していったのかをまとめる記事を寄稿してくれている。
「A Look At Play-i’s Successful Crowdfunding Campaign」(Play-iの大成功クラウドファウンディングキャンペーンの復習)がその記事だ。クラウドファンディングはまだまだこれから発展していくものと思われる。気軽にアイデアを試すことのできる場としての重要性も強く意識され始めている。
大成功キャンペーンの技を学習しておくのはぜひとも必要なことだろう。
可能性領域を広げる3Dプリント
ところでテック系人材が人気を集めるというのは、テックがさまざまな産業を「繋ぐ」役割を担いつつあるからとも言えそうだ。ソフトウェアがあらゆる分野で活用されつつある。
たとえばクラウドファンディングというのも、テックと市場とを繋ぐ面白い仕組みだと位置づけることができる。また3Dプリントというのもいろいろな領域を「繋ぐ」ものとして機能し始めているように見える。当初は「メーカー」とテックを繋ぐものとしての意義が注目されたが、そうした「プロ」領域を超えて、一気に消費者市場にも広がる可能性を見せてもいる。
たとえば3Dプリンターは布製テディベアを出力することもできるようになっている。そして消費者マーケットに向けて靴の中敷きを出力するサービスなども人気を集めているのだ。
3Dプリンターを活用した中敷き出力サービスが640万ドルを調達したという記事が「SOLS, Maker Of 3D-Printed Shoe Insoles, Raises $6.4M Series A」(3Dプリントによるシューズインソール・メーカーのSOLSが640万ドルを調達)だ。
これもテック?
いろいろな場面で存在感を増している「テック」であるので、TechCrunchで扱う分野の幅もどんどん広がりを見せている。
どんどん広がりを見せるので常に刺激を感じ、面白そうなものを翻訳していく。そんな中、「面白い!」と興奮したが翻訳を躊躇ったプロジェクトがある。それがこの「Buildies Cardboard Blocks Are, You Know, For Kids」だ。
昭和の子供は確かにこれに興奮する。間違いなく「Crunch」なプロダクトなのだが、果たして「TechCrunch」なのだろうか。
しかし、こうした分野にもテックの要素が入り込んでいく時代になりつつあるのは間違いないのだろう。
(Maeda, H)