先週のUS注目記事 ― 過去を振り返るためのTimehopが1000万ドルを追加調達、など

自分の手帳を読み返すのが好きだ。過去を振り返るのが好きなのだ。そういうとあまりにジジくさいかもしれないが、中学生の頃からの趣味だ。自分の過去を記録に残しやすくなった昨今、そういう趣味の人も増えているのではないかと思ったりする。

そんな「振り返り好き」の人の存在を期待しつつ、本稿ではこの1週間を振り返り、日本語版では紹介できなかったものの、注目した記事を紹介したいと思う。

1000万ドルを調達した過去振り返りサービスなど

やはり過去振り返り系サービスの話から始めよう。自分の過去を振り返るためのサービスといえばTimehopが思いつく。そのTimehopが1000万ドルを調達したという記事があった。「Timehop, The App That Works As A Digital Time Capsule, Raises $10M Led By Shasta Ventures」がその記事だ。

「『今』を共有するのがソーシャルネットワークの一般的在り方であるが、しかし自分の来し方を振り返るサービスにも価値があることをTimehopは示している」という記事も格好良い。

尚、当方Androidがメインデバイスであるので、Timehopはしばらくウェブ版で利用していた。しかしiPhone版にかなり遅れてリリースされたアプリケーションをインストールしてみると、アプリケーション版の方がかなり手軽で便利に感じる。ウェブ版を利用していながらアプリケーションをインストールしていない方は、ぜひともアプリケーションをインストールしてみるべきだと思う。Android版アプリケーションはこちらからダウンロードできる。

また、自分で過去を振り返るだけでなく、友だちと一緒に振り返ってみようとするアプリケーションの話題もあった。アプリケーションの名前は「Anniversary」で、記事は「Anniversary For iPhone Offers A Moment Of Nostalgia In The Age Of Disposable Photos」だ。

友だちと一緒に何かイベントとなる出来事を経験したとき、指定した時期に(1日後、1週間後、1ヶ月後、あるいは1年後など)自分で撮影した写真などを送るという仕組みだ。ひとりで振り返っても楽しめる思い出を、ともに過ごした人と一緒に振り返ることができるわけだ。1年後に、その「友だち」との関係がどうなっているかという微妙な問題もあるが、そういうところをのぞけばとても面白そうなアプリケーションに思える。

ネット時代の「危険」に対処する


現実世界であるとネットの世界であるとを問わず、人間関係というのは移ろいやすいものではあるかもしれない。そんな中、ネットを媒介とする思わぬ危険にさらされることもある。大人であればそういう危険も「自己責任」なのかもしれないが、子供の振る舞いについては気を使ってあげたいと思う人も多いことだろう。

もともと、ペアレンタルコントロールといえば、見てはいけないサイトを指定するという簡単な仕組みのことだった。しかし「ソーシャル化」が進む中、ソーシャル全般を排除することはできないものの、しかし特定の危険からは子供を守りたいとする考えも出てきている。そのような方針をソフトウェア化したもののひとつが「Mamabear」で、最近になって140万ドルの資金を調達した。記事は「Mamabear Raises $1.4 Million For A Parenting App That Monitors Children’s Social Media Use And More」だ。

ところでネットワークでの活動がもたらす危険とは、いわゆる「炎上」のみでなく、実際の暴力に繋がることもある。そうした面にも対処しようとするのが「Defender」というデバイスだ。

このデバイスは、暴漢の写真を撮影しつつ、催涙スプレーで攻撃することもできる。さらに24時間体制の監視センターにも繋がるようになっている。Indiegogoでキャンペーン中だが、本稿執筆時点で目的額の212%を獲得している。

American Users Spend An Average Of 40 Minutes Per Day On Facebook」の記事にあるように、ネットに触れ、ネットで繋がることがますます増えていく時代の中、安全対策の進化も大いに必要とされる分野なのだろう。

ハードウェア・クラウドファンディングの今後

ところで上に紹介したDefenderは、ハードウェアのみならず監視センターなども含んだキャンペーンだが、クラウドファンディングの隆盛により、いろいろなハードウェアが世の中に出てきやすくなったと言えるのではないかと思う。

このハードウェア系クラウドファンディングにつき、現状をまとめているのが「The Crowdfunded Hardware Ecosystem」の記事だ。

ジャンルによる調達額平均などにも触れていて、自らプロジェクトを立ち上げようとする人にもきっと参考になることと思う。

夏休みに80sを振り返るテック映画を

などと過去記事を振り返っているうちに、いよいよ関東地方にも本格的な夏がやってくる。昨今の異常に思える気温上昇や豪雨ないし突風などは辛いところだが、「夏休み」を楽しみにしている人もいることだろう。

夏休みの楽しみ方はいろいろなれど、チープに楽しむのなら自宅でDVDやBlu-rayの鑑賞に明け暮れるというのも手だ。「なるほど」と同意してくださる方のため、80年代風ハッキングシーンが楽しめる映画を紹介する記事もあった。「Hacking In The 80′s, Your Summer Movie Guide」がその記事だ。

紹介されているのは「War Game」や「Tron」など。「没入型デバイス」などなかったが、80年代の「ナード」たちは、たしかにVRに没入していたことを思い出す。

みなさま、熱中症などにならず、没入型ハッピーな夏休みを。

Maeda, H


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。