出荷関連サービスのShippoがeコマースブームに乗り約520億円の評価額でさらに約47億円調達

eコマース企業に出荷関連サービスを提供するソフトウェア会社のShippo(シッポ)は米国時間2月23日、新たに4500万ドル(約47億円)の資金調達を発表した。同社は4億9500万ドル(約520億円)と評価された。TechCrunchはこのラウンドをシリーズDと呼ぶことにする。シリーズCに続き価格が決められたラウンドだからだ。同社は今回の資金調達ラウンドに名前をつけなかった。

Shippoの2020年のシリーズCは、2020年4月に発表された3000万ドル(約32億円)の取引で、約2億2000万ドル(約230億円)の評価だった。D1 CapitalがシリーズCとDの両ラウンドをリードした。これはD1 Capitalが2021年のラウンドで同社の株式に対し2020年の約2倍を支払うことに満足していたことを意味する(投資家がリード投資家として連続するラウンドで前回の投資から増やすということは、今やスタートアップの質に関する否定的なシグナルではなく、肯定的な指標と見なされていることを思い起こして欲しい)。

なぜ直近ラウンドの直後にさらに資金を集めるのか。Shippoの創業者でCEOのLaura Behrens Wu(ローラ・ベーレンス・ウー)氏によると、同社は2020年、顧客の獲得と提携に関して大きな進歩を遂げた。そのため、Shippoが第4四半期に投資家と取締役会を開いた頃、より多くの資本を投入する良い時期だという決定に至った。

ある意味、タイミングは合理的だ。顧客ベースを拡大するにつれ、さまざまなプロバイダーとより良い出荷取引を交渉することができ、それにより新しい顧客を引き付け続けることができる。ベーレンス・ウー氏はTechCrunchとのインタビューで、同社が初期の顧客のほんの数個の出荷を手伝っていた頃、同社のプラットフォームでサポートしていた物流会社は同社と会いたがっていなかったと述べた。今や当時より多くのボリュームをさばくShippoは、顧客からの需要をパートナーとの関係強化に利用し、顧客へのサービス全体の質を向上させることができる。

ベーレンス・ウー氏は、Shippoが新しいラウンドを開始する前にそのようなかたちでUPSとの提携を確保したと述べた。

成長に目を向けると、Shippoは2020年プラットフォーム支出、または「GPV」を2倍にした。GPVは、同社が使うGross Postage Volume(総郵便料金)の頭字語だ。TechCrunchはそれが大まかに売上高と連動していることを確認した。つまり、Shippoは2020年トップラインを2倍にした可能性がある。すばらしい。2021年もそれを達成したいとベーレンス・ウー氏はTechCrunchに語った。同社は2021年も人員を2倍にし、約150人を追加する。

増加した資本で勢いのついたShippoの次の動きは何か。CEOによると同社は、プラットフォーム(そこではShippoが例えばマーケットプレイスになる)、国際展開(ベーレンス・ウー氏によると、Shippoは国際配送を「ほんの少し」しか行っていない)、そして同社がコア顧客ベースと見なすものにもっと投資したいと考えている。

TechCrunchは、Shippoが出荷ラベルという元々の「ホーム」からプロダクトをどれだけ幅広く持ち出すことができるかについて興味を持っていた。同社によると、パッケージの旅には、その購入前を含め、多くの進出余地があるという。しかし、ベーレンス・ウー氏は、そのようなプロダクト拡大の仕事は、同社の当面の焦点では​​ないと断った。

現在のeコマースブームがどのくらい続くか、そしてこの新しい資本がShippoをどこまで遠くへ運んでくれるのか見てみよう。2021年もサイズが2倍になるようなら、2022年半ばにIPOカウントダウンを開始する必要がある。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Shippoeコマース資金調達物流

画像クレジット:Justin Sullivan

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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