初の完全民間有人宇宙飛行の1座席はSalesforceマーク・ベニオフ氏らの審査委員会が決める

SpaceX(スペース・エックス)による初の完全民間有人宇宙飛行ミッションは、計画どおりに進めば2021年中にCrew Dragon(クルー・ドラゴン)カプセルを使って4人のクルーを軌道へと運ぶ。クルーの1人は審査委員会によって応募した起業家の中から選ばれる。委員会のメンバーは、Salesforce(セールスフォース)CEOのMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏、Fast Company(ファスト・カンパニー)編集長Stephanie Mehta(ステファニー・メータ)氏、ユーチューバーのMark Rober(マーク・ローバー)氏、およびBar Rescue TVのホストJon Taffer(ジョン・タッファー)氏だ。多岐にわたる人々だが、この狂乱ぶりには理由がある。

この席は乗船する4人のうちの1人分だ。1つ目はコンテストとミッションのスポンサーであり、Shift4 Payments(シフト4ペイメンツ)のファウンダーで、このフライトを支援するためにわずかとはいえない金額を費やすことを選んだJared Isaacman(ジャレド・アイザックマン)氏に渡る。2つ目は、先にアイザックマン氏が明かした通り、 セントジュード小児研究病院の従業員で元がん患者のHayley Arceneaux(ヘイリー・アルセノー)氏に決まった。

関連記事:骨肉腫サバイバーの女性がSpaceXの初の完全民間有人宇宙旅行のクルーに

残る2つの席は、それぞれ別のコンテストによって決定される。1つは現在進行中の慈善募金活動を通じてセントジュード小児研究病院に寄付した米国市民全員に与えられる。もう1つは、審査委員会によって決定され、勝者はShift4のeコマースプラットフォームShift4Shop(シフト4ショップ)に店を持っている応募者の中から選ばれる。

そのとおり。このとてつもなく高額で開拓精神あふれる宇宙ミッションは、アイザックマン氏率いるShopifyライバルのグロースマーケティングキャンペーンでもあるのだ。ただし公正を期すために言っておくと、当選者の店は新しくなくてもよい。既存のShift4ユーザーも応募可能で当選の権利がある。

勝者を決める条件として発表されているのは「創造力と革新性と決断力を有する事業主または起業家」つまり、まあ誰でもよい。私はベニオフ氏、メータ氏、ローバー氏(ユーチューバーであるとともに元NASA JPLのエンジニア)、タッファー氏の面々が、果たして誰を選ぶのか非常に関心がある。

このInspiration4(インスピレーション・フォー)ミッションは現在2021年第4四半期の打ち上げを予定している

関連記事:SpaceXが初の完全民間有人宇宙飛行を2021年中に実施、Shift4 Paymentsのジャレド・アイザックマン氏ら4人が乗船

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9Crew Dragon民間宇宙旅行

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。