メモリアル・スローン・ケタリング癌センター(MSK)とメディカルテックとコンピューター病理学のスタートアップであるPaigeの研究者らは、査読付き医学誌のNature Medicineで新しい論文を発表した。AIベースの検査システムは、前立腺がん、皮膚がん、および乳がんを「ほぼ完全な正確さ」で検出すると同社は公表している。論文に書かれている技術は、44カ国1万5000人以上の患者から得た4万5000枚の画像データを使って学習したディープラーニングを採用している。同研究の特徴は、事前に学習用データを収集する必要をなくすことで、正確なAIベース診断ツールの開発に必要なコストと時間を大幅に削減できることだ
昨年2月、 Paigeは2500万ドル(約27億円)のシリーズA調達ラウンドを発表し、MSKとの提携によって、世界最大級の病理学スライド保管庫を利用できるようになった。MSKには、Paigeの共同ファウンダー・最高科学責任者でコンピューター病理学の世界的権威でもあるThomas Fuchs博士の研究室もある。
Paigeのアプローチは、一般のAIベース診断よりもずっと大きいデータセットを使用するが、特定の種類のがん診断に特化した他の方法のように収集範囲を限定することはしない。その結果、「能力が向上するだけでなく、作られるシステムの適用範囲がずっど広い」と同社はコメントしている。
Paigeにとって次のステップはこのテクノロジーの商品化であり、すでに準備は進められている。Nature Medicineで発表された研究は、応用分野は異なるが現在FDA(医薬食品局)の審査を受けているテクノロジーですでに利用されている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )