またもSamsung Electronics(サムスン電子)の経営陣の1人に実刑判決が出た。今回懲役1年6カ月の実刑を言い渡されたのは、サムスン電子で取締役会長を務めるイ・サンフン(李相勲)氏だ。最近の捜査でイ氏がサムスンの組合を潰そうと他のトップと共謀した「決定的証拠」が出たのだという。これが韓国の労働法規に違反するとされた。
捜査の始まりは2013年にさかのぼる。サムスンから流出した文書に社員の組合活動に対抗する方法が詳しく述べられていた。複雑な関与を明らかにするために捜査は何年にもわたったが、結局、10人以上のサムスン幹部が起訴されることとなった。
イ氏に対する起訴は一度取り下げられたが、昨年、別件でサムスンが家宅捜索を受けた際に新たな証拠が発見されたとして再度起訴された。発見された文書が容疑を裏付けたため本日の判決となったという。イ氏は控訴の見込みだ。ウォールストリート・ジャーナルが最初にこのニュースを伝えた。
サムスン電子社長で韓国系米国人のヤング・ソン(Young Sohn)氏は、先週ベルリンで開催されたTechCrunch Disruptに登壇している。これはイ氏の実刑判決が出る前だったが、他の数名のサムスン幹部はすでに有罪判決を受けていた。この問題についてTechchCrunchのマネージングエディターであるMatt Burns(マット・バーンズ)はソン氏に「何があったのか?」と尋ねた。当初ソン氏は(有罪となった幹部は)サムスン電子の社員ではなく、グループ内の他企業に属していると答え、「複雑な法律問題には答えられない。いずれにせよ(幹部らの)個人的問題だ」と述べた。
ソン氏はまた「起訴されたが有罪と証明されたわけではない」と述べた。もちろん判決が出る前であれば正しい。しかし有罪判決を受けた後はそうは言えないだろう。もちろん被告人らが控訴すればまた裁判中となる。
ただしソン氏は「規模の大小を問わず、どんな企業であれ明確な価値の基準と倫理を持つことは非常に重要だ。正しい仕事の仕方を管理職に継続的に徹底し、訓練していかねばならない」と認めた。
残念ながらここ数年、サムスンにおける価値の基準と倫理は明確ではなかったようだ。サムスンは一貫して明白に組合の結成や組合活動に敵対していたことが認定された。ソン氏がサムスンに加わったのは8カ月前であり、スキャンダルが始まった時期よりはるか後のことなので、法的、ビジネス的紛糾からサムスンを救い出し、正しい方向に舵取りをしてくれると期待していいだろう。
今回の判決で労働組合潰しに関する捜査はひと段落となるだろうが、これほど大規模な犯罪にトップが深く関わっていたのが認定されたことは、サムスンのイメージを大きく傷つけた。
画像:Getty Images
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)