医学会や医師向けのITソリューション、企業の健康経営に関するサービスなどを提供するメンタルヘルステクノロジーズは11月5日、第三者割当増資と金融機関からの融資により、総額約2.5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。第三者割当増資の引受先は、INTAGE Open Innovation Fund、ファストトラックイニシアティブが運営するファンド、マネックスベンチャーズ、エボラブルアジアの各社・各ファンド。借入を行ったのは、みずほ銀行、三井住友銀行、きらぼし銀行の各行だ。
なおメンタルヘルステクノロジーズは今回の発表と同時に、2018年2月から4月にかけ、既存株主であったサムライインキュベート2号ファンドの持分全株とユビキタスAIコーポレーションの持分一部が譲渡され、オーケストラインベストメントとベクトルが株主となっていることも明らかにしている。
メンタルヘルステクノロジーズは2011年3月、株式会社Miewとして創業。当初はコミュニケーションサービスや電子ドキュメントのプラットフォームアプリなどを開発・提供していた。かつてはサンフランシスコで開催されるTechCrunch DISRUPT SFのハッカソンにエンジニアが参加していたこともあるが、その後、医療・健康分野のソリューションやサービスに注力するようになる。
これまでに複数回の資金調達を行っている同社だが、2017年7月には、今回も出資に参加したファストトラックイニシアティブが運営するファンドから1.6億円を調達。2018年8月には社名をメンタルヘルステクノロジーズへ変更し、メンタルヘルス分野に事業ドメインを集中させた。
2018年10月には、企業の健康経営を促進するためのメンタルヘルスサービスの新ブランドとして「ELPIS(エルピス)」をスタート。シリーズ第1弾サービスとして、職場におけるメンタルヘルス・ハラスメントを学ぶ研修動画サービスをリリースしている。
同社は資金調達により、メンタルヘルスに関するAI開発や事業基盤・体制をさらに強化し、サービス利用事業所数を2019年6月までに2000事業所と、現在の900事業所から約2倍強とすることを目指す。同社のグループ会社で産業医紹介などを事業とするAvenirとも協力しながら、AIによるアラート通知やメール・チャットによる相談サービスなど、従業員のメンタルヘルスケアに関わるシステムやサービスを提供していく。