プログラミングを独学で学ぶのはなかなか続かないし、身に付かない。日本でもプログラミングを学べる場所が増えてきたが、今回新たにフランス発のプログラミングブートキャンプLe Wagonが日本に上陸した。Le Wagonは目黒のコワーキングスペースImpact HUB Tokyoと連携し、2月27日からブートキャンプを開催する。Le Wagonでは9週間、朝から晩まで集中的にプログラミングを学ぶプログラムを提供する。講義は全編英語だ。
Le Wagonは2013年にパリで始まり、現在はヨーロッパに加え、ブラジルや中国、カナダなど19都市でブートキャンプを開催している。Le Wagonから卒業した生徒数は1000名以上になる。
9週間のプログラムの内、最初の7週間でレクチャーとプロジェクトをこなし、最後の2週間で自分のプロダクトを作る。ブートキャンプの最終日には、制作したプロダクトをピッチするデモデーを開催する。ブートキャンプが終わる頃には、ウェブ開発に必要なスキルを全て習得し、ポートフォリオにいくつかプロジェクトを掲載できる状態になるという。
ジャパン・ディレクターを務めるゴメル・ポール氏は生徒としてLe Wagonのブートキャンプに参加した経験がある。「Le Wagonではスタートアップエコシステムに関わるテクノロジー、コーディング、起業家精神の全てに触れることができます。この9週間は、人生が変わるような体験となるでしょう」と話す。
Le Wagonの魅力は、コミュニティーにあるとゴメル氏は説明する。ブートキャンプではテクノロジー業界で活躍する起業家を呼んでリアルイベントを開催し、スタートアップ業界とのつながりを作る場としても機能するという。コミュニティーがあることで卒業後の起業を支援できる。ブートキャンプで作成したプロダクトで起業した卒業生もいるそうだ。また、生徒と就職先との接点も作っていくため、ブートキャンプの卒業生の採用に興味を持つテクノロジー企業とのパートナーシップも進めているという。
日本にもプログラミングを学ぶ場として、夜間の学校やオンライン講座などがある。だがそうした講座はいずれもドロップ率が高いだろうとゴメル氏は指摘する。Le Wagonの9週間では、集中的にプログラミングを学ぶことになる。「難しいと感じる人も多いのですが、コードに没頭することでマインドセットが変わるのです」とゴメル氏は言う。
仕事を休んだり、辞めたりして9週間プログラミングを学ぶのをハードルが高いと感じる人も多いかもしれない。受講料も79万円と決して安い金額ではない。しかし、Le Wagonのブートキャンプは受講して終わりなのではなく、将来への投資になるとゴメル氏は話す。現在小さな会社で働いたり、独立してフリーランスとして働く人が増えている。プログラミングを学び、起業家精神を持つことは、柔軟な働き方をするきっかけになる。特に女性や若い世代にとって、そうした自由な働き方をする機会が広がるだろうとゴメル氏は言う。
東京でのブートキャンプの開催時期は2月27日から4月28日だ。ブートキャンプの応募者は面接とコーディングのテストで選考する。最も重要視しているのは、本気でプログラミングを学びたいというモチベーションがあるかという点だとゴメル氏は言う。ブートキャンプは10名から15名の少人数で行う予定だ。現在、参加者をLe Wagonのサイトから受け付けている。