台湾の行政院は4月7日、政府機関がZoom(ズーム)や「セキュリティやプライバシーで懸念がある」他のビデオソフトウェアを使用しないよう勧告を出した。Google(グーグル)やMicrosoft(マイクロソフト)が提供するソフトウェアを含む他の選択肢を検討すべき、としている。
新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの中で、多くの組織が会議を開くのにZoomに頼ってきた。しかしZoomはセキュリティとプライバシーの点で批判されている。
他の国の政府機関もZoomの使用を制限しているが、台湾の措置はこれまでで最も広範なものの1つだ。たとえばニューヨーク市当局は学校のリモート授業でのZoom使用を禁止すると発表し、オーストラリアでは国防軍と議会のZoom利用を禁じている。
台湾政府の発表では、「行政院のサイバーセキュリティ部門(DCS)は7日、行政機関と特定の非政府機関に対し、ビデオ会議をしなければならないときに使用されるビデオソフトウェアは、Zoomのようなセキュリティやプライバシーの問題を抱えるものであってはならない、との勧告を正式に出した」とある。
DCSは「もし組織が海外とのやりとりや特別な状況で台湾産のものでないソフトウェアを使わなければならない場合、GoogleやMicrosoftのようなグローバル通信大手がそうしたテクノロジーをこのパンデミックにおいて無料で提供している。組織はデータセキュリティリスクを精査してからこれらのオプションを検討すべきだ」とも付け加えた。
Zoomの創業者でCEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏は4月1日、同社のブログに「Zoomの使用は1夜にして脹れ上がった。我々が2月後半に最初にサポートを発表したときに想像していたボリュームをはるかに上回っている。昨年12月に1000万人だった毎日のミーティング参加者は3月には2億人超になった」と書いた。
ユアン氏はセキュリティ問題を謝罪し、「我々は問題の1つ1つを調べ、なるだけ早期に解決する」とした。
新型コロナのパンデミックでZoomの使用は3月に突然増え、「ZoomBombing」が問題になった。Zoomのスクリーンシェア機能を使っている最中に暴力画像やポルノなど不適切なコンテンツが現れてミーティングを邪魔する、というものだ。また、ビデオコールが、同社がうたっていたエンドツーエンド暗号化ではなかったことも明らかになった。Citizen Lab(シチズンラボ)の研究者は先週、一部のビデオコールが中国を経由していたことを発見した、と述べた。
TechCrunchはZoomにコメントを求めている。
画像クレジット: Olivier Doiliery / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)