在宅血液検査のスタートアップBazeがNature’s Wayから6億円調達

セラノスの詐欺事件後)ベンチャーの世界は、ほんの数滴の血液から健康データを提供するとうたう血液検査のスタートアップを警戒するようになってしまった。しかし、スイスに拠点を置くパーソナル・ニュートリション(個人向け栄養管理)のスタートアップであるBazeは、個人が自宅で血液検査できる便利なサービスを提供している。同社がFDA規制に準拠しているというMIT製のデバイスを使用して、各ユーザーからごくわずかな血液を収集している。

血液サンプルを介して、健康に必要なのに体に不足しているビタミンを見つけ出す、というのがその構想だ。医者に行った後に検査のために別途最も近いラボに向かう、といったようなことを望まない人々に訴えるサービスのようだ。

医療専門家のほとんどが、個人が適切な量の栄養を摂取しているかどうかを知ることが重要である、ということに賛成するだろう。ビタミンD欠乏症は世界中でみられる症状で、カルシウム吸収、ホルモン調節、代謝、筋力低下に影響を及ぼす。 米国人口の推定74%が、毎日必要なレベルのビタミンDを摂取していない。

「さまざまな欠乏症は人口全体に分布している」とBazeのCEOで創業者のPhilipp Schulte(フィリップ・シュルト)氏は語る。「血液検査によって、サプリメント業界で初めて、そうした欠乏症に解決策を提供できることがわかった」。

これまでにどれくらいの人がBazeを試用したのかまだ正確にはわからないが、シュルト氏によると同社の新規加入者は毎月40%増加している。

サプリメント会社のNature’s Wayがこれに注目した。Nature’s WayはBazeと提携し、600万ドル(約6億円)を注入してBazeの米国におけるマーケティング活動を支援する。

私は検査を試す機会があった。とても簡単だった。洋ナシ型の小さなデバイスを開き、腕に当ててから押して、血液を採取し始める。完了したら付属の医療用パッケージに入れて、Bazeの契約ラボに発送する。

自分で小さなデバイスを腕に当てる方が確かに便利だと思うが、腕から血が吸い出されている小さな泡が見えるので、そういうのを見るのが嫌な人にとっては煩わしいかもしれず、ラボに行って誰かにやってもらう方が簡単かもしれない。

Quest DiagnosticsやLabCorpなどのラボは検査するビタミンの種類によって価格が異なるものの、Bazeはそういったラボに比べて価格面でも魅力的だ。Bazeは1回あたりわずか100ドルである。検査結果が得られたら、サプリメントを毎月定期購入できる。最初の月はサプリメントがキットに無料でついてくる。

検査結果はBazeのウェブサイトに約12日以内に表示される(ただし、シュルト氏はTechCrunchに、結果をもっと早く得られるよう取り組んでいると話した)。検査結果には検査されたビタミンの種類とスコアが表示される。

私は100点中の74点のスコアで必要な栄養素を摂取していると言われた。しかし、私はすでに高品質のビタミンをよく摂取している。突出していたのは亜鉛レベルだけで、検査を2回実行した後、チャートからかなり外れたと言われた。私は亜鉛中毒の症状を示していないので、これはおそらく、試験開始前に亜鉛ベースの日焼け止めを十分に拭き取らなかった結果だと思われる。

自宅で自分の検査を行うことに興味があり、キッチンにあるようなもので腕を刺すことが怖くなければ、Bazeにサインアップしてはどうだろう。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。