3月16日にグランドオープンとなったムーミンバレーパーク。最近では秘境としての知名度と魅力が急速に高まっている埼玉県の飯能市にある、自然と共生したテーマパークだ。同市の宮沢湖を取り囲むように作られた施設で、昨年に先行オープンしたメッツァビレッジとともに注目されている。果たしてこの場所でどれぐらいキャッシュレスが浸透しているのか調べてきた。
入場券
まずは入場券。こちらは事前にネットでユーザー登録を済ませればオンラインで購入できる。アトラクション券についても購入可能だ。決済には各種クレジットカードが使える。グランドオープン直後は購入者が殺到しており、アトラクション券のオンライン販売は休止しているが、関係者によると4月中旬以降には再開するとのこと。アトラクション券の現地購入については後述するが、交通系電子マネーが使えるので心配はいらない。
現地までの移動
■自動車
次にムーミンバレーパークに向かう手段について調べた。自家用車を使う場合は、入場券と同様にネットで駐車場予約をしておくといい。予約なしだと駐車するまで時間がかかるばかりか、駐車彫金を現地で徴収する機械が現金のみだ。
■電車
電車を使う場合は、西武池袋線の飯能駅で下車すればいいので、PASMOやSuicaなどの交通系電子マネーがあればキャッシュレスで移動できる。
ムーミンバレーパークのオープンと同日に運行が始まった西武鉄道の新型特急「Laview」や従来特急「レッドアロー」を使うなら、西武鉄道が運営しているチケットレスサービス「Smooz」を使えばいい。
一定金額をクレジットカードから積み立てたうえで特急券を購入する少々面倒なシステムだが、券売機に並ばないでいいのでスムーズだ。なお、Laviewやレッドアローに特急券なしで乗り込むと、乗車券と指定券の合計料金に加え、200円の車内発券料金を支払う必要があるので注意。池袋駅では専用の改札口があるが、所沢駅や入間市駅では、専用改札がなくそのまま乗れてしまうので注意だ。
■バス
無事に飯能駅したら、ムーミンバレーパークに向かうためにタクシーかバスのどちらかを選ぶことになる。タクシーの場合は電子マネーやクレジットカードを使えるが、運賃はバスより割高になる。バスなら大人一人200円なのでリーズナブルだ。
しかし、このバスに問題がある。メッツア直通、もしくはメッツア経由のバスは複数のバス会社が運行しているが、この中に交通系電子マネーが使えないバスがある。運行を請け負っているのは、西武バス、国際興業バス、イーグルバスの3社。この中で、イーグルバスだけは現金のみの取り扱いで、しかも2000円以上の紙幣の両替が原則できないという難易度の高さなのだ。キャッシュレスを貫くなら、事前に時刻表を調べて西武バスや国際興業バスが来る時間に飯能駅に到着するように逆算しよう。
メッツァビレッジ
昨年先行オープンした入場料無料のエリア。宮沢湖の湖畔の四季の自然を楽しめるほか、有料の講座やワークショップなども開催されている。カヌーやレンタルボートで湖面を散歩することも可能だ。もちろんショッピングやレストランのエリアもある。
気になるキャッシュレス度は非常に高い。ショッピングエリアの「Market hall」、レストランエリアの「Viking hall」、宮沢湖の湖畔の散歩道に続く屋外レストランは、ほとんどの場所でマルチ決済端末が導入されており、SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーのほか、iD、QUICPay、nanaco、WAONなどを利用可能だ。そのほか、VISA、Mastercard、AMEX、JCBなど主要なクレジットカードが使える。マルチ決済端末として確認できたのは、パナソニックの「JT-550CR」+クレジットカード決済端末「JT-C30B」のセット、AirPay端末、Times Pay端末、Rakuten Pay端末の4パターン。ただし、JCBが使えない店舗、クレジットカードは使えるが交通系電子マネーには対応していない店舗もあったので、VISAかMastercardでの支払が最も安心だ。
認定NPO法人名栗カヌー工房が運営しているボート、カヌー乗り場は、交通系電子マネーやクレジットカードは使えないが、QRコード決済のPayPayに対応している。また園内には、ワークショックが併設されている「スターバックス コーヒー 飯能メッツァビレッジ店」では、スタバカードによるキャッシュレス決済が可能だ。
メッツァビレッジで唯一残念なのがサイボクの直営店。同社は埼玉県日高市を拠点とする、県内有数の食品加工メーカーで、Market hallの1階に店舗を構えている。食欲をそそる匂いがする、おいしそうなハムステーキやソーセージなどを現地で調理販売しているのだが、現金のみの取り扱いとなっている。
ムーミンバレーパーク
3月16日にオープンした、ムーミンバレーパークもキャッシュレス度は非常に高い。園内のレストランやショップは、前述のパナソニックの決済端末のセットが導入されているので安心だ。ポープコーンや雑貨などを販売している屋外の店舗でも同様にキャッシュレス決済が可能なので心配はいらない。さ
各種アトラクションの付近にある当日券を販売するチケット自販機にはPASMOのマークが掲げられており、交通系電子マネーを利用できる。缶コーヒーやジュースの自動販売機も同様に交通系電子マネーが使える。
ムーミンバレーパークで唯一残念なのは、「Peli & Leikki」(ペリヤ&レイッキ)と呼ばれる子供向けのアーケードゲームエリア。500円のチケットを購入すると3回のプレーができるのだが、なんとそのチケットを購入する自販機が現金のみの受付なのだ。キャッシュレスにこだわるならここも使えない。
まとめ
サイトへのユーザー登録や事前予約といった手間があるが、メッツァビレッジとムーミンバレーパークはおおむねキャッシュレスで過ごせることがわかった。現金しか使えないサイボクについては、現地では食べられないものの同社のソーセージやハムはオンラインショップから購入できる。「Peli & Leikki」のみ現金オンリーなので、キャッシュレスにこだわるなら固唾をのんで見学するしかないのが残念だ。
関係者によると、これまで来場者はメッツァビレッジで平均2〜3時間の滞在時間とのことで、ムーミンバレーパークを組み合わせることで半日楽しめるテーマパークを目指しているとのこと。