スマートフィットネスギアは、固定されていて持ち運びができないという制約があることが多い。(Pelotonのスピンクラス用固定式自転車や、壁かけ式の筋力トレーニング機器「Tonal」などがそうだ)。自宅にいて、高級なホームジムに何千ドル(何十万円)も出す余裕があるならいいが、どこでもワークアウトをしたい場合はどうすればよいのか。
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今週のTechCrunch Disrupt Startup Alleyに出展しているドイツのスタートアップStraffr(ストラッファー)を紹介しよう。この会社は、バックパックに入れて外出時に持ち運べるスマートフィットネスバンドを販売している。
当初、ハードウェアスタートアップである同社は、2020年Kickstarter(キックスターター)でクラウドファンディングを選択した。2021年3月に製品を市場に投入して以来「数千個」のバンドを販売した。また、ビジネスエンジェルからも支援を受けており、フィットネスビジネスの拡大に向け、海外の投資家からの2回目のシードラウンドを完了したところだ。
Straffrのスマートレジスタンスバンドは、中強度と強強度の2種類のグレードがある。Bluetoothでコンパニオンアプリに接続し、伸身や屈伸を始めるとすぐにトラッキングを始める。CEOのStefan Weiss(ステファン・ワイス)氏によると、トレーニングセッションのフィードバックは、レップ数だけでなく、エクササイズの「質」にまで及ぶ。
バンド全体がセンサーになっており、伸縮可能なゴム製で導電性を持つ。Straffrのチームがこの素材を開発し、いくつかの特許を取得した。
「200%とか300%以上伸びる素材を探して開発するのは本当に難しい。そして壊れず、何も測定しません」とワイス氏はTechCrunchに話した。「Straffrフィットネスバンドを伸ばすと電気抵抗が変化するため、ある運動によってバンドがどれだけ伸びたかがわかります」。
「スマートでない」レジスタンスバンドを使って筋力トレーニングを試みたことがある人は、専門家の指導なしに集中して取り組むのはかなり難しいことだと知っている。基本的に、自分が最適な方法で動作を行っているのか、それともただ無心にゴムの音を鳴らしているだけなのかを知ることは困難だ。そこで、センサー機能が、この特別なフィットネスキットに大きな価値を与えてくれそうだ。
Straffrのスマートバンドは、トレーニングの回数、パワー、速度を記録し、アプリがトレーニング中にリアルタイムでフィードバックを提供する。また、ワークアウトの全体的な結果も表示されるため、フィットネスの数値管理が好きな方にもおすすめだ。
このアプリにはワークアウトビデオが用意されており、フィットネスバンドを使ったセッションの録画を見ることができる。セッションには、HIITを中心としたワークアウト、全身を使った筋力トレーニング、自宅での簡単なエクササイズなどがある。
ワイス氏によると、同社はプレミアムオンデマンドサービスの開発も進めている。最近では5人のパーソナルトレーナーを迎え、彼らによる1対1のトレーニングセッションを始めたという。これは将来、Pro機能として提供される予定だ。基本アプリは無料だが、ハードウェアは有料となる。
Straffrのバンドは99.99ユーロ(約1万3000円)強で「スマートではない」代替品(ベーシックなレジスタンスバンドは数百円で購入可能)と比較すると非常に高い。だが、これだけでは比較としてお粗末だ。というのも、この製品は、ただのゴムではなく、フィットネス全体のパッケージを手に入れることができるからだ。つまり、その追加金額は、関連するエクササイズのコンテンツやアプリ内でのパーソナライゼーション、ワークアウトの定量化、ライブフィードバックによるモチベーションの向上などに使われているのだ。
また、Straffrのスマートバンドは、Pelotonやその他のハイエンドのホームジムキット購入に比べ、かなり安いことも注目に値する。
そういう意味で、Straffrのスマートフィットネスは、お買い得のように見える。
これまでのところ、典型的な購入者は、ワイスによれば「自己の定量化」というトレンドにハマっているフィットネスに関心の高い男性か、ジムのフィットネスクラスの代わりを求めている中年女性だ。だが、地味でスマートなフィットネスバンドは、すべての人に何かを提供できる可能性がある。
「レジスタンスバンドを使ったトレーニングの将来は、パーソナルトレーナーとの組み合わせにあると思います」とワイス氏は付け加えた。「パーソナルトレーナーやプロのアスリート、オリンピック選手との1対1のデジタルトレーニングをオンデマンドで行い、ワークアウトルーティンの全体像やその効果を説明し、汗をかくようなトレーニングを一緒に行い、人々のモチベーションを高めます」。
レジスタンスバンドを使ったワークアウトが苦手な人向けに、Straffrはスマートフィットネスキットの追加開発を計画している。しかし、ワイス氏は、同社が開発している他のコネクテッドハードウェアの内容について詳しく語らなかった。
「現在、社内で開発中の製品があり、とても楽しみにしています」と同氏は話し「ただの縄跳びではないということは確かです」と付け加えた。
「私たちにとっては、機能的でポータブルなトレーニングと、トレーニングの質を追跡するという要素との組み合わせが常に重要です。例えば、自分の実力はどの程度か、実際に効果が出ているのか、といったことです。レップ数やステップ数を数えるだけでも、モチベーションを高めるという意味では良いと思いますが。私たちが知りたいのは、そのレップ数が本当に適切なのか、質は良いのか、今の自分の状態に合わせてベストを尽くしているのかということだと思います」。
画像クレジット:Image Credits:Staffr
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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi)