外科手術や医療機器の訓練にVRを利用するOsso VRが約15億円調達

医療業界にも遠距離学習がやってきたようだ。

新型コロナの時代になりリモートワークが日常化してからは、どのような業界でもトレーニングや教育サービスを提供できるツールが投資家の関心を集めている。

Osso VRが提供しているような仮想現実のツールは、投資家からの資金調達が急速に進んでおり、カリフォルニア州パロアルトを拠点とするバーチャルリアリティ配信プラットフォームがこのほど1400万ドル(約14億6000万円)の資金調達を行い、その列に加わった。

この資金は、ヘルスケア大手Kaiser Permanenteの投資部門が率いる一群の投資家たちからのものだ。Kaiser Permanenteは、介護施設や介護サービスのネットワークを全国に展開している。今回のOsso VRへの投資にはSignalFireやGSR、Scrum Ventures、Leslie Ventures、OCA Venturesなど新旧さまざまな多様な投資家たち参加している。

Ossoは医療機器メーカーや医療ネットワークが、技術者の立ち会いを必要としないトレーニングツールを採用するようになったことにより、パンデミックの間にその利用が急増しています。

同社の創業者であるJustin Barad(ジャスティン・バラッド)博士によると、医療機器教育サービスの市場だけでも現在の市場規模は30億から50億ドル(約3100億〜5200億円)で、急速に成長しているという。

Industrial Light and MagicやElectronic Arts、Microsoft、Appleなどのチームを要するOsso VRは、トレーニング用の一般的な教育コンテンツを制作し、Johnson & Johnsonのような企業向けに特定のバーチャルリアリティ教育ビデオを制作している。これらの制作物は、血管外科手術の説明ビデオからロボット手術のトレーニングのヒントや技術まで、多岐にわたっている。

Kaiser Permanente VenturesのAmy Belt Raimundo(エイミー・ベルト・ライムンド)氏は、戦略的投資家たちの投資の決定は必ずしもKaiser Permanenteの利用に結びついたものではなく、必ずしも従業員が何を求めているかに基づいているわけではないと述べている。

「投資は弊社自身のデプロイメントや顧客との契約に結びついているものではなく、Kaiser Permanenteの中にも同じ兆候があることを見ている。つまり同社にも、Ossoの技術を使うことに関心のある社員たちがいる。「そこで我々は、Osso VRの利用を検討していると発表した。そしてそれを契機に、投資と商用化の決定が互いにシグナルを発していたのは、そこに満たされていないニーズがあることを示していたからだ」とベルト・ライムンド氏は語る。

Osso VRは現在、約30社の顧客抱えておりだが、そのうち12社は医療機器分野の企業だ。同社はOculus Questヘッドセットを使用しており、20カ国にある20の教育病院に配備されている。最近の実証研究によると、Osso VRを使って訓練を行った外科医は、手術全体のパフォーマンスが230%も向上したと、同社は声明で述べている。

バラッド博士によると、同社の目標は、ActivisionやBlizzardなどのゲーム開発企業で多くのゲームを開発してきた人たちとプログラマーとしての生涯契約を結び、ヘルスケアを誰にでもできる技術にすることだ。「これにより患者の結果が良くなり、教育へのアクセスとその向上を万人のものにする。今やテクノロジーは成熟期に達しており、VRはプラットフォームへと成長した。これからは、もっと大きなヘルスケアの問題に取り組めるだろう」と博士はいう。

カテゴリー:VR / AR / MR

タグ:Osso VR

画像クレジット:wacomka / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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