これは、今Kickstarterで資金を募集している小粋なグリーンテク製品だ。SunnyBotと名付けられたその製品は、マイコンで制御されるロボットで、その名の通り鏡面がいつも自動的に太陽の方を向いている。目的は、室内灯用の電源確保や、太陽熱の利用、部屋の暖房、プールの温水化、鉢植え植物の保育、などなどだ。
SunnyBotを作っているイタリアのSolenicaによると、反射鏡(凹面鏡)で太陽のエネルギーを集めて発電効率を高めることもできる。光量に換算すると今の大きさで約7000ルーメン(500ワットのハロゲンランプに相当)だ。また反射鏡としての光の到達距離は最大200メートル、誤差は30メートルあたり0.1メートルだ。
もちろん、SunnyBotは空に太陽がないと使えない。12月のアイスランドでは無理だろう。でも太陽光の増幅効果もこの製品のアイデアの一つなので、作者は太陽光が乏しいところでも用益はある、と考えている。太陽光がふんだんにある国では、太陽光そのものの有効利用が、ずばりこの製品のメインの用益だが。
太陽を追って鏡面を回すこのロボットの中には、二軸光学帰還システムを備えたマイコンシステムがある。現在のデザインはあくまでもプロトタイプなので、製品化するとなったら本格的な工業デザインに取り組む。そのときは鏡を収める筐体も必要になり、また本体や部品は射出成形で品質を高めたい、と同社は言う。〔*: dual axis solar tracker, 方向軸+仰角軸の計2軸制御による太陽光追跡。〕
SolenicaはSunnyBotのオープンソースバージョンをSunnyDuinoという名前で出したいと考えている。低価格で、Arduino互換のコントローラ付き、そしてSDKも提供される。だから、独自の機能を持った自作システムを組むことも可能だ。
今Kickstarterでの目標額は£200,000($312,000)で、これは製品化するために必要な資金だ。一部の金額はマーケティングにも使いたい、という。とりわけ、世界中のメーカー企業にライセンスパートナーになってもらいたいのだ。最初の製品の完成は、今年のホリデーシーズンをめどにしている。
SunnyBotはイタリアで組み立てられるが、基板はイギリスのケンブリッジ、マイコンはアメリカ合衆国アリゾナ州、機械部品はイタリアのモデナなど、部品は世界各地から調達する。消費者価格は数百ドル程度、になる模様だ。ただしKickstarterでは£199($310)の投資を約束すると、一台もらえる。SolenicaのDiva Tommeiは曰く:“今後はこのロボットの原価と売価を下げていきたい。SunnyBotを、どの家庭にも一台ある日用品にしたいんだ”。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))