日曜の晩、約1億1000万人がテレビにかじりついてスーパーボウルでシアトル・シーホークスがデンバー・ブロコスに快勝した試合とそこに散りばめられた30秒のおそろしく高価なスポットCMに見入った。今年Fox Sportsはスポット1枠ごとに450万ドルを要求し、アンハイザー・ブッシュ、シボレー、ペプシといったブランドがしぶしぶ財布をはたいた。
しかしひときわ異彩を放ったのは、社員15人のテクノロジー・スタートアップ、 GoldieBloxのCMだった。このサンフランシスコの会社は小さな女の子向けのテクノロジーおもちゃを作っている。4日前に、GoldieBloxはIntuitが主催するスモール・ビジネス・ビッグゲーム・チャレンジで優勝し、世界でもっとも高価なCM枠を獲得したことを発表した。
ちなみにGoldieBloxのスーパーボウル広告はBeastie Boysとの法律紛争を丸く収めるのにも役立つかもしれない。同社は無許可で Beasty Boysのパロディー広告を作ったということで訴えられている。スーパーボウル広告はSladeの“CumFeel The Noize”をカバーしているが、こちらはちゃんと金を払ってライセンスを得ているのだろう。
こんな小さな会社がスーパーボウルでCMを流せるというのはめったにないことだ。GoldieBloxのCMは大勢の女の子たちがピンクのお人形やら例によって例の如き退屈なおもちゃを抱えて集まり、ロケットに載せて宇宙に打ち上げてしまうというストーリーだ。スーパーボウルCMといえばマッチョな性差別的広告がうんざりするほど流れるのが通例だが、GoldieBloxCMは気持ちのいい解毒剤となった。Intuit自身も税務申告のソフトというスーパーボウルで興味を引きにくいプロダクトのCMづくりに頭を悩ませることなくイメージアップを実現できた。なにしろスーパーボウルの広告主に文句を言うための専用アプリがRepresentation Projectによって作成されているくらいだから、Intuitの戦略は賢明だったいえる。
いちばん評判の悪かった広告がどれになるかまだわからないが、Twitterの反応ではSodaStreamとフォルクスワーゲンがありがたくない番付のトップに並んでいるようだ。こちらは昨年のスーパーボウルのもっとも性差別的CMのリストで、ビキニモデルがフィッシュバーガーを食べるCarl’s Jr’sの傑作などが入っている。
しかし幸いなことにスーパーボウルCMの女性向けと男性向けの差は毎年縮まっている。たとえば昨年、GoDaddy.comは最悪の性差別的CMの烙印を押されてしまったが、今年は劇的に調子を変えてきた。今後とも企業は注目を集めながらも性差別的でない広告づくりに努力していくだろうと期待したい。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)