初めてAndroidが出てきた時、私にはヒットの予感があった。初期のOSはいただけなかったが ― G1はSidekickの増強版みたいだった ― 私にはAndroidデバイスが世界を覆いつくすであろうと考える単純な理由があった。それが無料であり、キャリアーはJavaスタックや出来の悪い自家製OSの心配をする必要がなくなるからだ。代わりに彼らは、ほぼ全世界中のAndroid機と同じように動くスマートフォンを売ることができる。それは、あらゆる方面からの競争に面していた業界に対すGoogleからの贈り物だった。
そして計画は成功した。しかし、なぜ「フリー」仮説が通用するのか私はかねがね疑問だった。
今日(米国時間1/23)、GizmodoのSam Biddleは、なぜそこまでAndroidが人気なのかを調べたすばらしいレポートを発表した。その電話機は安価であらゆる地域のユーザーに広く受け入れられている。一方iPhone(黒いメタルと豪華なガラスの風貌)はよくて299ドル、キャリアー契約なしなら500ドルはする。Motorola Atrix HDなら契約込みで99セントだ。
Biddleがこう書いている。
要するに、スマートフォンの普及にかけて、GoogleはOSを誰にでも無料で与えることによって完璧にこなしている。それは本質的に「完全無料」のソフトウェアであり、メーカーは使える確かなOSを、遅くて出来の悪いハードウェアに載せて安く売ることができる。その結果のAndroid(およびSamsung)人気は、上部より下部の階層によって支えられている。
Biddleは記事の中でさらに深く堀下げているが、このiOSとAndroidの極めて重要な差異を覚えておくことは重要であると私は思う。Androidは勝ち続けている。これは紛れもない真実であるが、Androidは市場のローエンドを猛スピードで吸い込むことによって勝ち続けているのである。 根っからのiPhoneボーイである私でさえ欲しくなるような美しい旗艦スマートフォンでも出て来ない限り、Androidは、最高だからではなく、最安値であることによって世界を征服しつつある。しかし、一たびAndroidがその両方の要素をものにすれば、これは要注意だ。RIMとMicrosoftは叩きのめされ、Appleは、その筋金入りのファン層にもかかわらず、いよいよ真の競争に曝されるだろう。酒飲みなら誰でも言うように、この世には良いウィスキーと安いウィスキーがあり、ごく稀に安くて良い酒もある。Googleは、そのスイートスポットを捕える必要がある。そうなったとき市場はいよいよ軌道に乗るだろう。
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(翻訳:Nob Takahashi)