室内用フードデリバリーロボットを開発する中国のPuduが約16.1億円調達

ロボティクスの分野は近年、クリティカルマスのような状況になっていた。しかし、この半年間で新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが発生し、パンデミック以外の面では慎重な多くの投資家が思い切った行動に出ている。米国時間7月1日、深圳を拠点とするPudu Roboticsは、北京の食品サービスグループのMeituan(美団)のみが投資したシリーズBで1500万ドル(約16億1000万円)を調達したと発表した。

Puduは自社を「スマートデリバリーロボティクス」企業と称している。同社製品の大半は、フードサービス業向けのものだ。料理の提供と食器の回収をする複数のロボットSKUがあり、すべて室内向けモデルだ。デリバリーアプリに対応するためのロボットではなく、ホテルやレストラン、オフィスビルなど同じ建物内でのさまざまな用途のために設計されている。

2020年6月(Business Wire記事)にPuduはパンデミック下で「数百台」のユニットが韓国と中国の病院に導入されたと発表した。ほかにもレストランやホテルに導入されており、いずれも新型コロナウイルスの感染防止のために人と人との接触を減らす手段として期待されている。これまでに合計で20カ国、200都市に同社のロボットが導入されたという。

CEOのZang Tao(ザン・タオ)氏は6月に発表したプレスリリースで「人間以外との接触は安全で、オートメーションによって人間の苦労を減らせる。人間の生命を考えると、この2つの利点はさらに重要性を増すだろう。新型コロナウイルスの感染が拡大し公衆衛生のシステムに不可逆的な影響を及ぼす中で、多くのテック企業がインテリジェントな消毒、人手を介さないデリバリー、インテリジェントな診断において重要な役割を果たしてきた」と述べた。

もちろん「不可逆的な」という部分はまだ見えていない。しかし、新型コロナウイルスはこの種のテクノロジーの有効性と必要性をテストするための重要な場になるだろうということは、おそらく確かだ。

1年前にはせいぜい道楽のように思えたことが、今では食品を扱うプロセスに欠かせない部分になる可能性が見えてきた。新型コロナウイルスによって投資家の関心は確かに加速したが、期待に応える準備ができていることを示せるかどうかはスタートアップ次第だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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